茨城県水戸市の中心市街地の路上で男女6人が刃物で切り付けられるなどして負傷した事件で、容疑者の男(48)を取り押さえた県警OBの60代男性が茨城新聞の取材に応じた。男性の右腕には男に抵抗されてできた傷が残る。男性は「怖さより、行かなくてはならないの一心だった。傷はまだ痛むが、悔いはない」と言い切った。 ■手を離さず 事件当日の7月28日午後6時過ぎ。仕事を終え、国道50号の歩道を徒歩で帰宅中だった男性は、反対側の歩道で光る何かが視界に入った。 最初は「おもちゃか」と思ったが、すぐに刃物で人が襲われていると分かった。「行かなくては」ととっさに体が動き、走る車を避けながら国道を横断。駆け付けた現場には、両手に刃物を持った男がいた。 男性が持っていたのはショルダーバッグだけ。両手で刃物を振り回すなどしてきた男にバッグで応戦したが「無我夢中でよく覚えていない」。柔道経験者の男性が男を組み倒して刃物
