犯罪統計、よくある間違い近年の犯罪統計は急増減という異常な変動を記録している。この背後には、警察予算の増減を左右するルールの変更があった(参照「予算獲得ルールと連動する刑法犯認知件数」)。その変更は、何気なく為された可能性もあるのだが、より重大な刑事政策の大変革を先取りするものであったことを指摘しておきたい。 先に、犯罪統計についておさらいしておきたい。 警察庁が集計し毎年犯罪白書冒頭図に掲載される一般刑法犯認知件数(交通事故を除いた刑法犯)のグラフを見てみると、2002年のピーク前の増加ペースもすごいが、ピーク後の減少ペースも早い。 とりわけ注目しなければならないのは、ジグザグにならずに毎年「順調に」増減していることである。図1を参照してほしい。このスムーズさは人為的な影響の懸念を抱かせるものである。 警察統計である犯罪認知件数が、犯罪の発生件数を表すわけではないことは、犯罪統計の見方の
