
私を喰べたい、ひとでなし
- 空虚な日々を過ごしていた八百歳比名子は、早く夏が終わることを望んでいた。ある日、深い海のように透き通った瞳をした少女と出会う。比名子はその少女に対して海に似た印象を覚え、授業の最中も彼女のことを思い浮かべるのだった。その日の下校時、比名子は不意に海の匂いと少女の気配を感じ、上履きのまま海へと向かう。すると海の中から人ならざる者が姿を表し……。

第2話 斜陽の獣と祭囃子
24分
「私は君を喰べに来ました」――そう告げた汐莉が、比名子の通う高校へ転入してきた。彼女なら自分を死なせてくれるかもしれない。そんな期待を胸に抱きつつ、一向に自分を喰べようとしない汐莉に、比名子は戸惑いを覚える。何故自分のことを今すぐ喰べないのか? その問いに汐莉は、「人間にだって喰べ頃があると思いませんか?」と口にして……。
第3話 希望の海
24分
比名子は汐莉に連れられて、夏祭りへ向かう。しかし、身勝手で優しい汐莉の行動によって「あの頃」の記憶をフラッシュバックさせてしまい、彼女の手を振り解いて人混みの中に逃げてしまうのだった。追いかけた先で、比名子が汐莉へ口にしたのは「あの頃」の思い出と、本当に自分を喰べるつもりがあるのかという疑問。それに対して、汐莉は――。
第4話 泡沫の結び目
24分
普通の人間には見えないはずの妖怪の血。しかし、美胡の目にはその血が見えてしまっていた。また、美胡は以前より汐莉から妖怪の匂いがしていたと明かし……。放課後、比名子は美胡と一緒に遊んでいたが、そこへ汐莉が姿を現す。そして比名子へ強いトーンで、「早く……ソレから離れて」と美胡から離れるように忠告し――。
第5話 親愛の獣
24分
妖狐の姿を現した美胡と汐莉の戦いが始まった。その中で、これまで美胡が体調を崩しがちだったのは、近くに自分という存在がいながらも喰べずにいたからだと比名子は知り……。決着間際、美胡は比名子の家族の名前と、比名子への想いを口にする。その言葉に比名子は、美胡の正体がかつて約束をしたある存在だと気付いて――。
第6話 親愛の形
24分
美胡は尻尾二本分の妖力を捨て、比名子のそばにいることを決めた。比名子もまた、彼女が妖怪であることを知った上で、友人でいることに変わりはないと言う。その夜、汐莉は美胡から、比名子が妖怪から襲われるようになったのは、家族を失い自らも生死を彷徨った「あの事故」以降だと知らされる。