あるゲーム会社に、新卒の若者が入社しました。 彼は高学歴ということもあって、とても頭の回転が速く、仕事を指示されると業務の本質をすぐに理解し、先輩顔負けのクオリティで成果物を出してくれました。 さらに人柄も良く、コミュニケーション能力も高かったので、将来を有望視されました。 そして彼はその期待に応え、入社わずか3年でディレクターに抜擢されました。 とても順風満帆といった感じでしたが、しかし、いかに優秀な彼でも、ディレクターに就任するには、3年という期間は短すぎたようです。 正しい下積みを経験していなかった為、非常に不幸な事件が起こり、ゲーム開発チームが苦労をしてしまいました。 ■有望株を育てるという抜擢「彼をディレクターに抜擢しよう」という方針は上層部が決めました。「彼を育てたい」という思いがあったからです。 筆者はその考えに賛成でした。 能力のある若者は、慣例にとらわれず、どんどんチャン
