数字、ファクト、ロジック。立命館アジア太平洋大学の学長にしてHONZ客員レビュアーでもある出口治明さんは、この三つで物事を決定するべきだと説かれている。これはサイエンスにおける研究の進め方でも同じである。なかでも最も重要なのは生の数字だ。相対値ではなくて、絶対的な数字。それがなければ話にならない。 日本国についてのそのような数字をこれでもかと惜しげもなく示してくれるのがこの本『日本で1日に起きていることを調べてみた―― 数字が明かす現代日本』だ。というほど、たいそうな本ではまったくない。ほとんど脈絡なく、おそらくは著者の興味のおもむくがままに、タイトル通り「日本で1日に起きていること」の数字が紹介されていく。 まず、誰もが驚くであろう数字から紹介しよう。それは『551蓬莱の豚まん』の売り上げ数だ。ん、そんな豚まん知らんって?知らなかったらよけいに驚くはずである。「豚まんの生地の品質を守り、

