ロシアや中国が主導する新興国グループ「BRICS」に2025年1月、インドネシアが加盟した。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国の英語頭文字だが、1年前にエジプト、エチオピア、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)が加わったばかり。急速な拡大を図る中、インドネシアを異例の厚遇で迎え入れた。 ただ、インドネシアは「全方位中立」の外交を掲げ、1年前まで「入らない」と宣言していた。急な方針転換は西側諸国だけでなく、国内にも大きな驚きを与えた。インドネシアは国際政治・経済で近年、存在感を増しているグローバルサウスの代表格だ。その選択や進路は、他の「サウス」にも大きな影響を与える。 インドネシアはなぜ方針を翻したのか。中立を捨てて「東」側に軸足を移すのか。新興国に働く「西」の遠心力と「東」の求心力とは何か。アジア経済研究所の川村晃一氏に背景を深掘りしてもらいつつ、今後BRICSが
