これまで、宮内庁が管理する天皇・皇族ゆかりのお墓である御陵(みささぎ)について、いくつか紹介してきましたが、 今回は、豪族のお墓、特に古墳時代に作られた装飾古墳(そうしょくこふん)について、ご紹介したいと思います。 古墳時代とは 古来、人々は近親者が亡くなると、時に死者に装飾を施し、時に副葬品として道具や農作物などを埋葬するなど、それぞれの死生観に基づく儀式を行い、その亡骸を棺や墓に入れて弔ってきました。 3世紀から7世紀にかけて、日本各地に大きなお墓が作られた時期がありました。この時に作られたお墓を古墳といい、日本史ではこの時期を古墳時代と呼んでいます。 当時の豪族は、大きなお墓を作ることによって死後の旅立ちに備え、自らの権力を誇示したと考えられています。 その形や大きさ、埋葬形態から、この時代の古墳はヤマト王権とつながりがあるとされ、特に、前方後円墳 (注1) は、ヤマト王権から認めら
