遊戯史研究家の増川宏一(ますかわ・こういち)さんが7月11日、膵臓(すいぞう)がんで死去していたことがわかった。91歳。告別式は近親者で営んだ。葬儀やお別れの会は実施しない。 長崎市生まれ。兵庫県伊…

あるチェスファンがヨーロッパを旅行した時、現地の遊戯史研究者にチェスの起源について質問した。答えは 「あなたは日本人なのに、なぜミスターマスカワに聞かないのか――」 大学などの組織に所属せず、将棋、囲碁から、賭博(とばく)、双六(すごろく)などあらゆる遊びの歴史を調べる日本ただ一人の研究家だ。ルーツを探るため、中東、ヨーロッパ、アジアなどの道具が出土された遺跡や所蔵する博物館を訪ね、その変遷を考察した著書は30冊近い。 新著の対象はボードゲームに限らない。「文化が遊びを作ったのではなく、遊びが文化を作った」というオランダの研究者の言葉を立証しようと、遊びと文化のありようをまとめた集大成の一冊。古今東西ほとんどのゲームが賭博性を持ったことで広まったが、それがキリスト教の思想と相いれなかったため長らく歴史の研究対象に成り得なかった事実にも言及している。 元は将棋ファン。「こんなに面白いゲームを
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