台湾と沖縄がともに平和である道はないのか? 駒込武編『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い』[10日刊]まえがきを全文公開 駒込武 2021年12月、安倍晋三元首相は「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と語りました(『朝日新聞』2021年12月1日付)。この言葉が象徴するように、日本社会では一部の与党政治家が「台湾有事」の可能性をことさらに煽りながら、沖縄など南西諸島の人びとを犠牲に供する施策を強引に推し進めてきました。実際、与那国、石垣、宮古、沖縄、奄美などの島々では、「台湾有事」が生じた場合に日米で連携して武力行使する想定のもと、自然や生活環境を強引に切り裂きながら島々を軍事要塞化してきました。石垣島の自衛隊基地に配備されたミサイルは当初射程200キロ程度の専守防衛のためのものと説明されていましたが、2024年になって中国本土を直接攻撃できる射程1000キロ超のミサイル配備
