少数与党という立場を利用しての巧みな看板替え暫定税率の廃止について、与党側は恒久的な財源の増税が必要との立場を崩していない。宮沢税制調査会長は8月21日の協議を終えた後、「与党だけで具体的な税は決められず、知恵を出し合わなければならない」と記者団に語っている。 さきの参院選で惨敗した与党が暫定税率廃止の合意に至るスピードは速かった。しかし今となっては、劣勢という立場を与党が巧みに利用しているようにさえ見える。少数与党になったことで、ガソリン減税の合意形成には野党の協力が欠かせない。そのうえで代替財源が必要との立場を与党が堅持すれば、ガソリン減税を人質に野党が組み立てた恒久財源の確保ができるというわけだ。さらに、ガソリンの“暫定”税率という隙だらけの制度も恒久的なものへと看板替えもできる。 暫定税率はもっと早い段階で恒久財源化するべきものだったが、世論の反発を恐れて踏み込むのを怠ってきた。今
