窮屈で仕方ない。決められたものを、決められた日までに作るだけ——プロジェクトの成功とは、そういうものなのか。 そんな疑問が頭をもたげるスクラムチームは、自らを “もどき” だと感じるようになります。スクラムで開発しているはずが、気づけば違うものに変わってしまっていた、と。 はじめから “何を作るか” にばかり集中すると、そうなります。そして、チームは次の四段階を経て、静かに侵食されていきます。 はじめから全体を詳細に詰める 決定を開発へ一方通行で流す すべてのパーツを作ってから組み上げる スプリントレビューを進捗報告の場にする 1. はじめから全体を詳細に詰める“何を作るか” が、プロジェクトのはじめに、たっぷり時間をかけて書き出されます。それは、詳細で網羅的。思いの丈をすべて注ぎ込んだかのような、少々壮大で立派すぎる仕様ができあがります。 “なぜ作るか” に、一分の隙もない “正しい答え
