トーマス・ジョイナーの『男はなぜ孤独死するのか:男たちの成功の代償』は、現代社会において男性が直面する、見過ごされがちな「孤独」という問題に切り込んだ一冊だ。本書は、「大人の男性は女性よりもずっと寂しい」という衝撃的な真実を冒頭で提示し、その原因と対策を多角的に分析している。 男性の孤独は「無自覚な進行」本書の核心にあるのは、男性の孤独が「最初からではなく次第に孤独になっていく」という指摘だ。男性は、時間とともに孤独感を測るセンサーが鈍りやすく、孤独が深まっていることを自覚せずに孤独が進行していくと指摘。2005年のアメリカの自殺者数の約80%が男性であるというデータは、男性が不釣り合いなほど「不幸」を抱えている現実を突きつける。その原因に「孤独」を指摘している。 友情への関心の喪失と「お金・地位」への執着ではなぜ男性は年齢とともに孤独になりやすいのだろうか? 大きな要因として挙げているの
