その5分間、映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のベンジーになった気分だった。もっとも、ウィーン国立歌劇場でスマートグラスをかけてトム・クルーズの声を聞く代わりに、筆者は開発者会議「Google I/O」で約1.5m四方の木製の小屋に立ち、AI「Gemini」の声を聞いていた。 筆者が体験したのは、「Android XR」搭載スマートグラスの試作品だ。右のレンズには小さな白い文字で時刻と気温が表示されている。午後2時24分、華氏73度(摂氏23度)。 もしスマートグラスがこれだけの機能しか持たなくても自分は満足していたはずだ。だが、これはホーム画面にすぎなかった。 次にこの試作品で写真を撮り、そのプレビューを片方のレンズにフルカラーで表示した。写真と現実の風景を同時に見る体験は衝撃的だった。この未来的なフレームは、GoogleがサムスンおよびQualcommと共同開発して
