聞き手/TAITAI 文/伊藤誠之介 カメラマン/増田雄介 『Fate』の英霊は、伝説の短い記述を「拡大解釈」する楽しさから生まれる寺田貴信氏(以下、寺田氏): 僕は『帝都物語』【※】という作品が好きなんですけど、あれもオリジナルのキャラクターと実在の人物を巧みに融合させて、「幸田露伴先生は魔物と戦っていたんだ」みたいな錯覚を与えるような作品になっていて。『西遊記』もそうなんですけど、実在の人物をフィクションに潜り込ませて話を動かすというのは、現実世界の人物をきちんと調べていないとできないですよね。 ※『帝都物語』……荒俣宏氏による伝奇小説。帝都東京の破壊を目論む謎の軍人・加藤保憲と、その野望を阻止しようとする人々との攻防を描く。霊能者や巫女、風水師などの架空の人物とともに、渋沢栄一、幸田露伴、寺田寅彦をはじめとする実在の人物も多数登場し、物語上で重要な役割を担っている。 (画像は角川書店
