生成AI(人工知能)を有効に活用する勘所の2つ目は「工夫次第で精度は向上できる、RAG(検索拡張生成)を攻略し自社データをフル活用せよ」だ。生成AIで自社のデータを参照する手段として一躍有名になったRAG。しかし、思い通りの回答精度を引き出せず四苦八苦する「RAGの沼」にはまってしまう企業が多い。三菱電機やポーラ・オルビスホールディングス(HD)、三井住友ファイナンス&リース(FL)の取り組みから、RAGを使いこなすためのノウハウを見ていく。 三菱電機は、家電の制御ソフトの開発工程で生成AIを使う。ソフトの改修内容を入力すると、該当する設計書や改修の影響が及ぶ部分を生成AIで抽出するシステムを開発した。RAGを構築する上で鍵になったのが、図や表を多用した開発文書の取り扱いだ。 近年の家電はクラウドとの接続やIoT(インターネット・オブ・シングズ)化が進んでおり、ソフト開発規模が大きくなって
