E2859 – 10年目を迎えたLibrary Lovers’ Nagasaki

カレントアウェアネス-E

No.517 2026.01.29

 

 E2859

10年目を迎えたLibrary Lovers’ Nagasaki

長崎大学附属図書館・柳生紀子(やぎゅうのりこ)

 

  長崎県大学図書館協議会(以下「協議会」)は、県内の国公私立大学および高等専門学校の図書館、計11校12館で構成されており、相互協力と研修会・講演会の実施が主な事業である。

  県内の大学図書館の合同キャンペーンである「Library Lovers’ Nagasaki」は、2016年から協議会の事業として実施し、2025年で10年目を迎えた。本稿では当キャンペーンのこれまでの取組みについて報告する。

●開始の経緯

  当キャンペーンの前身は、2010年に国立大学図書館協会の九州地区助成事業として始まった「Library Lovers’キャンペーン」である。「学生に図書館の存在を再認識してもらい、利用促進を図ること」を目的として、読書週間(10月27日~11月9日)を含む約1か月間をキャンペーン期間として開催された。初年は国立大学図書館のワーキンググループメンバーで企画・実施されたが、3年目からは九州地区大学図書館協議会の国公私立大学合同での事業として引き継がれ、2015年までに計6回開催された。

  九州地区としての取組みは2015年に終了となったが、定着してきたイベントをこのまま終わらせるのはもったいなく、長崎だけでも続けたいという思いがあった。2016年7月の協議会の総会において、新規事業としてキャンペーンを行うことが提案・了承され、またキャンペーン名称の使⽤を関係各位に快諾してもらい、「Library Lovers’ Nagasaki」という名称で実施することとなった。

●キャンペーンの概要

  キャンペーンの企画・運営は、協議会の加盟館職員からなるワーキンググループ(以下「WG」)で行っている。コロナ禍前までは、WGの活動は、初回のみ対面での打ち合わせを行い、その後はメールでのやり取りのみで進めていた。コロナ禍以降はメールでのやり取りのみとなっている。

  キャンペーンのキャッチフレーズは、「大学図書館がもっと好きになる!」である。イベントは、WGが企画・準備を行い、参加館合同で実施する「合同イベント」と、各参加館が独自に企画する「独自イベント」で構成されている。参加して楽しいイベントにすることはもちろんだが、企画する際に共通して考えていることは、「図書館のことを知ってもらい、今後の利用につながるようなイベント」にすることである。「合同イベント」としてゲーム参加型イベントを実施する際は、なるべく「図書館」に関係する問題を出題している。例えば、日本十進分類法を使ったもの、OPACを検索するもの、図書館用語を組み合わせたパズル等である。また、館内を歩き回る仕掛けを作るように工夫している。

  キャンペーンを盛り上げるための広報はブログを使用している。イベント期間中は各参加館が更新を担当しているが、更新が続くよう、あらかじめ投稿スケジュールと担当を決めて運用している。具体的な記事内容としては、「参加館紹介」「合同イベント紹介」「クリアおめでとう記事」などがある。

  公式キャラクターは、出島型の顔をした寡黙な図書館司書という設定の「でじまくん」、5匹の猫の「おまがり~ず」、頭に平戸城、耳に教会のイヤリングを付けた「ひめ課長」で、イベントの要所要所で活躍している。WGメンバーがデザインしたもので、キャンペーンに関わらず、各参加館で自由に使用してよいことになっている。また、これらは2019年の第21回図書館総合展の図書館キャラクター・グランプリで「審査委員会特別賞」を受賞した。

●運用上の工夫と今後に向けて

  キャンペーンは、協議会の公式イベントであるため、自館だけではイベント開催が難しい館も参加しやすい。参加館の負担を減らすため、ポスター、イベントに必要な小道具、キャラクター等、必要なものはWGで作成して共有し、手持ちのもので工夫できるようにした。ゲーム参加型イベント実施の際は、規模の異なる様々な図書館が各館の事情に合わせてカスタマイズできるよう、WGで共通問題を準備しつつ、各館でもオリジナル問題を作成できるような形式とした。グッズプレゼントは集客に大きく影響するため、この部分に協議会予算を使い、オリジナルグッズを作成している。そのようなノウハウを蓄積、共有できたこと、他館の職員と交流する機会が生まれていることがキャンペーン実施の効果として挙げられる。

  しかし、ここ数年は、各館の人員不足が顕著となっており、WGに参加できない館も増えている。またコロナ禍以降は合同イベントが難しくなり、WGではキャンペーンポスターとオリジナルグッズを作成し、イベントは各館独自で開催というスタイルで定着している。この状況を受けて協議会では、負担が大きいのであれば事業は中止してはどうかという意見が出され、2025年7月の総会の議題となった。各館からは「一度やめると二度とできなくなる」「オリジナルグッズを作れるイベントは貴重」「毎年読書週間のこの時期に、共通のキャラクター利用で一体感を感じるイベントを継続したい」という意見が出て、各館に無理のない、持続可能な形で継続していくこととなった。

  今後も実施方法を模索しながら、各館のつながりを維持してキャンペーンを実施し、学生の利用促進を進めていきたいと考えている。

Ref:
Library Lovers’ Nagasaki.
https://libraryloversnagasaki.blog.jp/
長崎県大学図書館協議会.
https://www.lb.nagasaki-u.ac.jp/nala/
“でじまくん、おまがり~ず、ひめ課長”. 図書館総合展.
https://www.2019.libraryfair.jp/character/2019/9430