ブラック・レイン

劇場公開日:2025年1月24日

ブラック・レイン

解説・あらすじ

「ブレードランナー」「エイリアン」のリドリー・スコット監督が、マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作ら日米の豪華俳優陣を迎え、大阪で本格ロケを敢行して撮りあげたクライムアクション。

汚職の嫌疑をかけられたニューヨーク市警の刑事ニックは、同僚チャーリーと訪れたニューヨークのレストランで、日本のヤクザ・佐藤が別の日本人を刺殺する事件に遭遇する。激しい格闘の末に佐藤を逮捕したニックたちは、大阪府警に彼を引き渡すため日本へ向かうが、大阪の空港で逃げられてしまう。言葉も通じず捜査権限もない大阪で佐藤の行方を追うニックとチャーリーは、監視役の松本警部補とともに捜査を進めていく。しかしそんな彼らを挑発するかのように、佐藤が新たな事件を起こす。

後に「スピード」シリーズの監督を務めるヤン・デ・ボンが撮影を手がけ、「レインマン」のハンス・ジマーが音楽を担当。松田優作のハリウッドデビュー作にして、彼が最後に出演した劇場映画作品となった。

1989年製作/125分/アメリカ
原題または英題:Black Rain
配給:シンカ
劇場公開日:2025年1月24日

その他の公開日:1989年10月7日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 日本アカデミー賞(1990年)

ノミネート

外国作品賞  

第62回 アカデミー賞(1990年)

ノミネート

音響賞  
音響効果編集賞  
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映画レビュー

4.5 ブレードランナー

2017年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

大阪の街を、まるでブレードランナーのセットのような近未来に見せる撮影が素晴らしい。知らない人に続編だと教えたら信じてしまうのではないか。
こんな風景が普通に存在していた当時の大阪もすごいが、だれもこんな風に大阪を撮影した人が日本にはいなかったし、今もっていない。『ブレードランナー』と並んで、全盛期のリドリー・スコットの美的センスを堪能できる1本だ。
ちなみに撮影監督は後年『スピード』で名を馳せたヤン・デ・ボン。

異国文化の衝突を刑事の友情を軸に描いた犯罪ドラマだが、当時の作品としてはまだ日本への理解がある方ではないか。日本経済好調の反動のジャパンバッシングなどもあり、奇異な文化を見下すような作品も見受けられたが、少なくとも悪役含め、日本人を非常に力強く描いている点は評価されるべき。

知られている通り松田優作の遺作だが、本作を観ると本当に惜しい役者を亡くしたものだと思う。

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杉本穂高

3.0 松田優作の演技は最高なんだけど

2026年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

脚本がアメリカナイズ過ぎて辟易とします。
2006年で振り返りインタビューがDVD特典でありましたが、アメリカ人の上から目線的なこれは凄いと言ってばかりで日本との感覚の軋轢を感じます。
日本に主人公含む米国警察が来て酒飲んで警戒してなくてパスポート入ってる服を盗まれてそのまま松田優作含む謎にバイク乗ってるヤクザに殺されました。
違法発砲などで強制送還なのに飛行場で抜け出して戻ってくる、
ヤクザの親分にほぼ喧嘩腰で何故か銃を貸与され使いまくり、
結果捕まえましたで署内ドヤ顔からの日本警察署長からコングラッチュレーションと言われるとかあるか!
この当時のバブル情勢で日本がアメリカの土地などを買いまくり、日本下げが映画でも流行ったらしいですが、米国人がスカッとくる脚本という感じがします。
松田優作の演技は最高です。

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さとう

4.0 豪華キャスト、豪華スタッフ集結による“オオサカ・ノワール”

2026年1月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

驚く

【イントロダクション】
ニューヨーク市警の刑事達が、ニューヨークで起きたヤクザ同士の抗争による犯人の引き渡しの為に訪れた日本・大阪で、現地の警察官と協力してヤクザの抗争に立ち向かう。
主演にマイケル・ダグラス、高倉健。豪華日本人キャストが話題を呼び、中でも松田優作演じるヤクザ・佐藤の熱演ぶりは必見。
監督は『エイリアン』(1979)、『ブレードランナー』(1982)のリドリー・スコット。脚本にクレイグ・ボロティン、ウォーレン・ルイス。音楽に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズのハンス・ジマー。撮影は、後に『スピード』(1994)、『ツイスター』(1996)の監督を務めるヤン・デ・ボン。

【ストーリー】
アメリカ、ニューヨーク。ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)は、仲間と共に麻薬密売事件の売上金を横領した嫌疑により、監察官達から調査を受ける身であった。妻とは離婚しており、2人の子供の養育費や自身の生活費を稼ぐ為、趣味のバイクで賭けレースをして稼ぐ生活を送っていた。

監察官達からの審問を終えたニックは、同僚の刑事チャーリー・ビンセント(アンディ・ガルシア)と待ち合わせていた昼食のレストランで、日本のヤクザによる抗争に巻き込まれる。ニック達は、ヤクザを刺殺して木製の小箱を奪って逃亡した佐藤浩史(松田優作)を逮捕するが、小箱は佐藤の手下が持ち去っており、佐藤は日本への送還が決定した。佐藤の護送を命じられたニックとチャーリーは、大阪へ向かう事になる。

伊丹空港到着直後、佐藤の身柄を引き取りに来た偽の大阪府警察に騙され、ニックとチャーリーは佐藤を引き渡してしまう。査問中の身であるニックは、汚名返上の為に大阪府警の捜査に合流しようとする。しかし、大阪府警の大橋警視(神山繁)は余所者が捜査に加わる事を良しとせず、銃を押収した上で松本正博警部補(高倉健)を監視に付ける。

その夜、ヤクザの親分である菅井(若山富三郎)が経営するクラブ“クラブ・みやこ”で佐藤の部下である偽警官の1人が殺害される事件が起こる。現場に向かったニック達は、被害者の口にドル紙幣が詰め込まれているのを確認し、そこに勤務する外国人ホステスのジョイス(ケイト・キャプショー)と知り合い話を聞くが、手掛かりは得られなかった。

翌日、ニックとチャーリーは松本から佐藤の経歴を聞かされる。佐藤は、元チンピラから成り上がった新興のヤクザ組織であり、菅井は佐藤のかつての親分であった。佐藤の手掛かりを追うべく、ニックとチャーリーは松本の静止を振り切って、佐藤のアジトを突き止め突入する機動隊に無理矢理同行する。しかし、佐藤は既に逃亡しており、アジトには手下達が残されているだけであった。残された手下達の中には、先日偽警官として現れた片山(ガッツ石松)の姿もあったが、彼は英語が分からないと惚けるばかりであり、ニックは先日の礼とばかりに彼に頭突きを喰らわせた。
やがて、アジトには大橋警視もやって来て、ニック達の現場入りを阻止出来なかった松本を叱責する。その隙に、ニックは証拠品の中にあったドル紙幣数枚をくすねる。その様子を見逃さなかった松本は、後にその様子を本部に報告したのだが、ニックはドル紙幣が偽札だと見抜いており、それを確認する為に証拠品をくすね、確認次第に報告するつもりだったのだ。

日米で異なる捜査方針は、ニックと松本に亀裂を齎してしまう。一方で、佐藤はニック達への復讐の為、配下の暴走族と共に動き出していた。

【感想】
豪華日本人キャストが話題を呼び、松田優作の(映画での)遺作となった名作。2025年1月31日で国内上映権が切れ、現在は劇場鑑賞が不可能となってしまった本作。遅ればせながら、ようやく私も鑑賞に踏み切った。

マイケル・ダグラス、高倉健や松田優作といった豪華キャストは言わずもがな、監督にリドリー・スコット、音楽にハンス・ジマー、撮影監督にヤン・デ・ボンと、今日の映画好きならば思わず目を疑ってしまう程、スタッフ陣も非常に豪華である。ただし、ヤン・デ・ボンに関しては、本来の撮影監督が日本での撮影が難航した事で降板した代わりとして白羽の矢が立った様子。

松田優作演じる佐藤の、ヤクザの世界で成り上がろうとするギラつきっぷりは、撮影当時既に膀胱癌に侵されていた松田がリドリー・スコットに語ったという「これで俺は永遠に生きられる」という逸話からも窺い知れるが、正にフィルムに自らの生きた証を刻み込もうとする俳優・松田優作の命の灯火が迸っているかのよう。佐藤の年齢は、演じた松田優作の実年齢と対応させて39歳である(佐藤の書類を印刷しているシーンで確認する事が出来る)が、画面に映るその姿は、特異な演技と髪型もあってか、実年齢よりもだいぶ若く見え、20代と言われても納得のいく若々しさがある。
もし、松田優作が本作の出演ではなく、癌の治療に専念していたならば、彼はその後も多くの作品に携わっていた事だろう。しかし、日本人俳優がハリウッドに進出するなど、この時代では三船敏郎でもなければ不可能であったはずで、仮に治療して俳優生活を続ける事が出来たとしても、その才能をハリウッドが見出すのは随分先、もしかしたら永遠に無かったかも知れない。だからこそ、私は松田優作が本作の出演に全てを賭けた、その役者魂をこそ賞賛したい。世の中には、たった一作で、たった一曲でその存在を人々の記憶に永遠に刻み付けてしまう天才が存在する。松田優作は、(既に築き上げていた日本での人気と知名度はともかくとしても)そちら側の人間だったという事だろう。

そんな松田優作に負けず劣らずな高倉健の“出てきた瞬間に1発で画面を支配する俳優力”が半端じゃない。例えそれが、署の机で出前蕎麦を啜っている姿であろうとである。
そして、役柄上流暢に英語を話さなければならないが、英語の台詞も見事にこなして見せる姿に痺れる。また、松本の人柄として、感情が昂った際にはニックの事を「ニックさん!」と日本語で呼び止める姿が印象的。
クラブでのチャーリーことアンディ・ガルシアとの歌唱シーンは、ぎこちないコミカルな様子も面白く、滅多に見られない貴重なシーンである。

本作の監督を務めたリドリー・スコットは、調べると当時かなり窮地に立たされていた様子で、本作では雇われ監督としてその責務を果たしている。『エイリアン』(1979)の成功後に手掛け、今日ではSF映画・サイバーパンク映画の金字塔と言われている『ブレードランナー』(1982)も、当時は興行不振により爆死。続く2作『レジェンド / 光と闇の伝説』(1985)、『誰かに見られている』(1987)も不評で、いよいよキャリアが危ないという状況下で手掛けた本作は、その成功によって監督をもう一度メジャー舞台に舞い戻らせた様子であり、人生とはタイミングと運なのだと痛感させられる。

対する音楽を手掛けた若き日のハンス・ジマーは、この頃から既にその才能を発揮しており、今日に至るまで順調にキャリアを積み重ね、今日では映画音楽の世界的第一人者である。

撮影監督として途中起用されたヤン・デ・ボンは、この後に手掛ける『スピード』と『ツイスター』で輝かしいキャリアをスタートさせるが、その後の作品は興行的・批評的に不振に終わっており、『マイノリティ・リポート』(2002)、『リベリオン』(2002)といった作品の製作というプロデュース業へとシフトしていった様子。

そんな、本作に携わった人々は、その後も紆余曲折様々なキャリアを辿っているが、唯一、本作の脚本を担当したクレイグ・ボロティン、ウォーレン・ルイスが、その後目立った活躍をしておらず、ほぼ無名のまま終わってしまっている事は残念である。

本作の撮影当時、日本にはフィルム・コミッションが存在しておらず、結果撮影は難航して撮影監督は降板、親日家であったリドリー・スコットでさえ、「2度と日本で映画は撮らない!」と発言するほどだったそう。本作でも日本での撮影が困難であった場面はアメリカでセットを組んで撮影し、クライマックスでヤクザの会合が行われる農園のシーンは、日本文化マニアの私有地であるブドウ農園を借りたそう。そして、その農園でのシーンは農園内に鳥居があったりと、それまで比較的に鳴りを潜めていたハリウッド映画あるあるである「間違った日本観」全開となっている。個人的に、このクライマックスのトンデモっぷりは、物語の盛り上がりと相まって外連味タップリであり、結果として魅力的なシークエンスに仕上がっていると思う。
そんな背景から、ニックとチャーリーが最初に暴走族に絡まれる繁華街のシーンは、エキストラが誰1人居ないという不自然な様子からも、てっきりセット撮影だと思ったのだが、あのシーンは実際に大阪で撮影されたそう。

【ラストの解釈】
ラスト、松本から子供への土産の玩具を渡されたニックは、お返しとして松本にワイシャツの入った包みを渡す。しかし、ワイシャツの下には行方知れずとなっていた100ドル紙幣の偽札の原版が隠されており、松本は搭乗ゲートへ向かうニックの背中に呼びかけ、ニックは笑顔を見せてサムズアップして去って行く。

このラスト、観た人によって解釈が異なる様子で、ネットには「原版を持ち逃げして稼ごうとしていたニックの、松本への義理人情」「松本にもう一つ手柄を渡す粋な演出」等、様々な意見が散見される。個人的には、そのどれもが正解、寧ろ、全て合わせて正解となるのではないかと思った。

私は初見時、このシーンはニックが松本に対してもう一つ手柄を立てさせようとした粋な恩返しに映った。しかし、様々な意見を目にして再度鑑賞すると、ニックは松本から子供達への手土産を渡され、搭乗ゲートへ向かおうと一度背を向けた後で「そうだ、君に渡す物が」と、まるで渡し忘れていたかのように惚けて原版の入った包みを渡す。つまり、ニックは寸前まで養育費や生活費の支払いの為に、原版を持ち逃げして荒稼ぎしようとしていたのだ。
しかし、松本の日本人らしい(「自分、不器用ですから」な)愚直さと心遣い、共に捜査をする中でニックの不正を知らなかったチャーリーもニックが横領している事を快くは思わないだろうと語った事への思いから、松本への義理を果たす意味で原版を渡し、結果として松本はもう一つ手柄を立てる事になるのだ。そして、義理人情とは菅井らヤクザの(この時代の任侠モノらしい)心得でもあり、このラストシーンは本作のあらゆる要素を内包した纏めであると解釈する事も出来る。

それはそうと、出国直前まで偽札の原版を持ち逃げしようとしていたニックに対しては、「相棒を失う程の事件を通じても、ギリギリまで何も成長しとらんな」と思わなくもないが。ただ、これで本当に持ち逃げしていたら「何も成長していない」となる所だが、ギリギリの所で踏み止まった以上は、脚本としては「登場人物の成長」を描いたと言えるのだよな。

【総評】
豪華キャスト、豪華スタッフ、そして紆余曲折あったとは言え日本の大阪を舞台にした物語は、親しみやすく魅力的であった。本作に「生きた証」を刻み付けた松田優作の俳優魂を存分に堪能する意味でも、是非とも再び国内上映が可能になってほしいと願うばかりである。

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緋里阿 純

3.5 突っ込みどころがありありだけど 最後の粋なはからいで全て良し。

2025年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

突っ込みどころがありありだけど

最後の粋なはからいで全て良し。

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まる