「完全なコピーは現存しない」と言われていた52年前にベル研究所で作成されたUNIX V4を記録したテープが倉庫で見つかる

「完全なコピーが現存しない」と言われていたUNIX V4が保存された50年以上前の記録媒体が発見されました。
Unix V4: Only known copy may lurk on recently unearthed tape • The Register
https://www.theregister.com/2025/11/07/unix_fourth_edition_tape_rediscovered/
ユタ大学のKahlert School of Computingで働くロバート・リッチ教授が、倉庫を掃除していた際にベル研究所のUNIX V4(1973年頃)を収録したテープを発見したと報告しています。テープには「UNIX Original from Bell Labs V4(See manual for format)」(UNIXオリジナル、ベル研究所発のバージョン4(フォーマットについてはマニュアルを参照))と記されているのが確認できます。
リッチ教授によると、ラベルの筆跡は2008年に多発性骨髄腫で亡くなったジェイ・レプロー氏のものだそうです。ラベルに書かれている通り、UNIX V4のデータが保存されているとすれば、それは注目すべき発見になるだろうとテクノロジーメディアのThe Registerは指摘。
UNIX V4はC言語で書かれたカーネルと一部コマンドを搭載した最初のUNIXバージョンとして知られていますが、V4の完全版は「もはや存在しない」とされていました。これまで確認されているのは、UNIX V4のやや古いバージョンのカーネルソースコード数ページと1973年11月発行のマニュアルのみです。
ただし、The Registerは「問題はこの古いメディアからデータを取り出すことができるかどうか」とも指摘しています。
リッチ教授はテープをコンピューター歴史博物館に運び込むと説明しています。そのコンピューター歴史博物館でソフトウェア司書として働くアル・コッソウ氏は、コンピューターの歴史に関する資料を保存・公開する非営利のアーカイブプロジェクトであるBitsaversも運用しています。
Bitsaversは、「機材は揃っています。(発見されたのは)3Mテープなので、おそらく大丈夫でしょう。アナログ復旧システムでデジタル化し、Len Shustekのreadtapeを使ってデータを復旧する予定です。今のところ唯一の問題は、私のワークフローが『待っている間に』というわけにはいかないので、ペニーに持ち出しOKを伝える前に、全ての部品を物理的に一箇所に集めて全てをテストする必要があるという点です。全体のプロセスは、テープリテンショナーで状態をテストすることです。ベイク処理は1日かかるので、できれば避けたいです。その後、デジタル化し、数十GBのサンプルを別のマシンに転送してデコードします。転送のステップを省略して、デジタイザー上でアナライザーを動作させたいです」とコメントし、早速データをアーカイブするための手順について記しています。
なお、リッチ教授によると発見された「UNIX V4が保存されたテープ」はマーティン・ニューウェル氏が受け取ったものだったことを突き止めています。ニューウェル氏は、コンピューターグラフィックス(CG)における3Dモデルの標準として広く認識されているユタ・ティーポットの制作者としても知られる人物です。
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in ソフトウェア, Posted by logu_ii
You can read the machine translated English article A tape recording UNIX V4 created at Bell….







