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完熟フレッシュのパパが思い起こす、幼少期の大人達。蜂に刺されて「皆こいつにションベンかけちゃれ!」とけしかけてきたお婆さん

「田舎暮らし」に漠然と憧れを抱く都会人は多い。しかし、都会から見た「地方」は一種の幻想に過ぎず、その土地で生まれ育った人間にしかわからない「地元」がある。実の娘とコンビを組む「完熟フレッシュ」のパパ・池田57CRAZY氏は、工業都市で知られる山口県宇部市の出身。同市の一角に、「宇部のサウスブロンクス(USB)」とも呼ばれる、ワイルドでファンキーな地域があった――。ハチャメチャな個性が入り乱れる街の記憶を綴った連載3回目をお届けする! ***

威厳ある大人と、大人にリスペクトを持つ子ども達

小学校時代の57さん(写真=本人提供)

 1975年生まれの57が子供の頃の大人達は怖かった。  親ももちろん、学校の先生もちゃんと怖かった。  やんちゃそうな人とか関係なく、大人はおっちゃんおばちゃん爺さん婆さんみーーーんな、他人の子供でも悪さをすればめちゃ怒るし、大人としての威厳がある。子供達も思春期で反抗したり舐め た態度を取ったりしていても、大人に対してちゃんとリスペクトを持っていた。  なので1990年代に入ってなって、少年達が中高年男性に因縁をつける「オヤジ狩り」と言う言葉が出てきた時は、にわかに信じられなかった。  ちなみに57が生まれ育った山口県宇部市のK区は女の人も強くて、かなり肝が据わってた!  家の周りは農家が多かったんだけど、ある一定の年齢を越えたおばちゃんは、モンペに上裸のまま用水路で平気で野菜を洗ってた。  ガキの57が顔と頭を中心に全身32ヵ所蜂に刺された時なんて、農作業してた近所の婆さんが「ションベンかければ大丈夫!皆こいつにションベンかけちゃれ!」と、57と一緒に遊んでた友達にオシッコをかけさせたこともあった。57が蛇に咬まれてその蛇が取れなくて泣いてたら「これ位で男が泣くな!シマヘビじゃけ大丈夫!赤チン塗っちょきゃ治る!」と蛇を取ってくれたこともあったっけ。こんな感じで、エピソードを挙げていけばキリがない。  そういやK区の子供達は当時「赤チン塗っても治らない、黒チン塗ったら毛が生えた」と楽しそうに歌ってたけど、あれは一体何だったんだろ?  ちなみに蜂ションベンの時はそれが間違った民間療法だった為、バイ菌が体内に入ってその後大変な事になったんだけど、今ではそれも良い思い出。

YOUはSHOCK……初詣帰りに起こった事件

宇部線宇部駅のホーム。「0番ホームという、宇部駅ならではのホームです」(57さん)

 話は変わるけど、57には小1から高校まで同じ学校で、いまだに腐れ縁のAという悪友がいる。  Aとは小5の時に同じクラスになった事をきっかけに仲良くなったんだけど、小5の冬休み、A家族に市外の大きくて有名な神社に初詣に一緒に連れて行ってもらう事になった。  池田家に初詣と言う文化があまりなかったのと、自分の家族以外の友達の家族とお祭りのような所に出掛けるという事が初めてだったのでテンション爆上げ!  Aのお父さんはひょうきんな人で、行きの車中もお詣りの間もずっと楽しかったんだけど、突如帰りの車中で事件が起きた!  あれだけひょうきんで面倒見の良かったお父さんが物凄く不機嫌になり、イラつき始めたわけ。  理由は渋滞! ただの渋滞だったらA父も不機嫌になってなかったかも知れないけど、渋滞の原因が暴走族による渋滞だった訳よ!(当時大晦日から元旦にかけての初日の出暴走的な物や、走り初めと称したパレードが風物詩だった)  駅前が特に酷く、車は全く動かない。  遠くからはコール音!A父イライラ…パラリラパラリラ、イライライライラ、パラリラパラリラ、イライライライラ……  対向車線に暴走族の姿が見えたその時だった!
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車中の子どもたちに「見るなーーー!!!!!」
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1975年8月17日、山口県宇部市出身。2016年、実の娘・池田レイラとともに父娘コンビ「完熟フレッシュ」結成。著書に『親子漫才!』(KADOKAWA)

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