聞き方を間違えると一気に険悪ムードに
普段は実家と離れて暮らしていても、年末年始には帰省し、親や兄弟姉妹とともに過ごすという人が多いのではないでしょうか。親が高齢であれば、家族が集まるせっかくの機会に、介護のことや相続のことなど、話し合っておきたいことはたくさんあると思います。
ところが、「うちにお金はいくらあるの」とか「ちゃんと遺言を残しといてよ」などといきなり切り出したのでは、「親の財産を狙っているのか」「早く死ねというのか」「縁起でもない」など、気持ちがこじれてしまい、それ以降、アンタッチャブルになってしまうことも珍しくありません。
親がそのような反応をするのは分からないでもありません。子どもの帰省は親にとってのハレの日です。気を張って元気にふるまっていても、高齢になればなるほど、実は毎日が精いっぱいということもあるでしょう。老いていくことへの不安を感じながら日々を過ごしているかもしれません。一方、子どもの前では弱い自分を見せたくないという見栄もあります。
「親のゴキゲン」のために子がサポート
相続に至る前には、親にとって人生終盤の、大切な時間が横たわっていることを忘れないようにしましょう。相続というピンポイントだけを捉えて急かしてしまうと、親は自分の人生をないがしろにされたような気持ちになり、心を開いてはくれません。
親から子へと引き継ぐ縦の関係と、相続人である子ども同士の横の関係を良好に保ち、親が「ゴキゲンで生きる」ことを、子どもチームがサポートするというスタンスで臨みましょう。間接的ではありますが、それが親の相続で揉めないコツなのです。
ただし、「ゴキゲン」の形は人それぞれ。自分の親はどのように生きると「ゴキゲン」なのかを理解するところから始めます。
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