RAKUS Developers Blog | ラクス エンジニアブログ

株式会社ラクスのITエンジニアによる技術ブログです。

デザイン理解ゼロだったエンジニアが、再びデザイン組織を率いるまで

こんにちは、プロダクト部 部長の稲垣です。(自己紹介やこれまでのキャリアについて↓をご覧ください。) tech-blog.rakus.co.jp

2025年4月、ラクスではプロダクト部が新たに組成され、デザイナーとプロダクトマネージャーが同じ組織に加わりました。

そして2025年10月から、私はこの組織のマネジメントを担うことになりました。

実は7〜8年前にも、兼務という形でデザイナーのファーストラインマネージャーを経験しており、採用も含めて直接マネジメントをしていた時期があります。

その経験があるため、今回デザイン組織が含まれることに対する不安はありません。むしろ プロダクトマネージャーとデザイナーが同じ組織でコラボレーションできることにワクワクしている というのが今の正直な気持ちです。

この記事では、これまでの自分とデザイン/デザイナーとの関わり、そして今回のマネジメントに向き合うにあたって考えていることをまとめました。

ラクスでデザイナーとして働く未来を考えてくれる方に、少しでも私の考えが届けば嬉しいです。

目次


「デザイン」との出会い

SI企業時代:管理画面の“画面設計”から始まった

新卒で入社したのはSI企業でした。案件の多くはWeb開発で、いわゆる管理画面のようなUIが中心。UI/UXの概念はほとんどなく、

『入力 → 確認 → 完了 』のような単純なフローが基本。 CSSやJavaScriptもほぼ使わず、デフォルトHTMLボタンさえ「その方がいい」と言われるような時代でした。

はじめて「デザイン」を意識した案件

転機となったのは、toC向け求人サイトのプロジェクト。大手メガベンチャーの案件で、お客様先に常駐し、自社チームで要件定義からリリースまで担当しました。

デザインはお客様側のデザイナーに依頼する形だったため、自分はHTMLベースの画面を紙芝居のように作成。それを見たデザイナーから絶賛されたのは今でも印象に残っています。

広告枠を削り、とにかくユーザーの機能に集中した“シンプルさ”を評価してくれた。

この時、デザイナーは広告やノイズの少ない“純粋な体験”を好む傾向があるのだな と初めて理解しました。


デザイナー理解が一気に深まった転職先での経験

その後、toC系・ゲーム系の企業へ転職。ここでデザイナーとの連携は圧倒的に密になりました。私が関わったプロダクトは以下:

  • ブログサービス
  • フラッシュセールサイト
  • ECプラットフォーム(ネイティブアプリあり)

ここでは“当時も優秀だと思っていたが、今振り返ると本当に優秀だった”と思えるデザイナーたちと仕事をする幸運に恵まれました。

●ブログサービス:感性と論理の狭間で学んだ

スマホ・PC対応を進める中で、代表が細部までデザインにこだわるタイプだったため、私もデザイナーと代表の間に立ち大量のやりとりを経験しました。代表の感性的な指摘に対して、デザイナーはその意図を聞き出し、言葉にならないイメージを視覚に落とし込んでいく。

ヒアリング力・翻訳力・表現力のすべてを見せてくれました。

●フラッシュセールサイト:国内にないコンセプトを形に

海外サイトを参考に、国内にはない体験をデザインするプロジェクト。 完成した UI は自分から見ても「これは素晴らしい」と感じられるものでした。

●ECプラットフォーム:UXとクリエイティブの両軸

デザイナーは

  • バナー・LPなどのクリエイティブデザイン
  • EC購入導線のUI/UXデザインの双方を担当。

マーケやセールスの要望を視覚化する一方で、 「なぜこのデザインなのか?」 を 言語化し、理論で説明する姿 を見て、行動心理学、デザインパターン、言語化の重要性を強く理解しました。

デザイナーが入るだけで“世界が変わる”という実感

ブランド向け管理画面のリニューアルでは、機能は大きく変えていないのに、デザイナーが入ったことでブランド担当者の印象が一気に改善したことがあります。また、

  • ネイティブアプリ
  • 国内でも未導入のオンライン決済の導入の体験
  • 写真からサイズを測る機能

など、UX領域で共に多くの挑戦をしました。

デザイナー採用への深い関与

新卒・中途・マネージャー採用にも関わりました。 50名以上のデザイナーと話した 経験は、今考えても大きな財産です。


エンジニア出身の自分がデザインを理解するためにやった2つのこと

結局、自分がデザインやデザイナーを理解するためにやったことはシンプルです。

1. デザインに関する本を“読みまくった”

特に印象に残っている書籍は

「ピクサー流 創造するちから」はいまでも読み返す愛読書です。 プロダクト部のキックオフでも、この本に出てくる “ブレーン・トラスト” を組織に導入したいと話しました。

2. デザイナーと“とにかく対話しまくった”

  • デザイナーが参加するMTGに同席
  • なぜその質問をしたのか、なぜその表現にしたのかをひたすら聞く
  • ワークサンプルテストに参加して理解を深める
  • 採用面談でキャリア観や課題感を聞き続ける

「多分、かなり鬱陶しかっただろうな」と思うほど聞きました。 でもこの対話の量が、デザイナー思考を理解することにつながりました。


再びデザイン組織のマネジメントへ ― 私が今思っていること ―

2025年、ラクスのデザイナー組織は再始動しました。

若く優秀なデザイナーが多く、プロダクトの成長に日々向き合っています。その中で、私がまず変えていきたいと思っていることがあります。

「デザイン」の認識を変えたい

多くの人にとって「デザイン」は

  • 見た目を整える
  • UI/UXの領域

といった“狭義”で認識されがちです。

しかし、本来デザインとは「問題を解決するための設計・計画全般」であると思っています。

※本資料はプロダクト部の発足の時に「社内ラジオ」(毎月技術広報が取り組んでる開発組織内での定期イベント)でも紹介ししたスライドの抜粋

※もともとのスライドを「Nano-Banana」で綺麗にしてもらった

私は職能をこう捉えています:

  • デザイナー:人の体験をより良くするために課題を見つけ、形にする専門家
  • エンジニア:課題を仕組みで解決し、それを動かし続ける専門家

そして今はこうも思っています。

『デザイナー』『エンジニア』全員がプロダクトマネジメントのマインドを持てるなら、 プロダクトマネージャーは“1人いればいい”のかもしれない。


最後に:ラクスのデザイナー組織に興味を持ってくれた方へ

ラクスのデザイナー組織は2025年に再始動しました。 これから人数も増え、

  • リードデザイナー
  • デザイナーマネージャー

といった役割も必要になっていきます。

もし少しでも興味があれば、ぜひ応募をご検討ください。 プロダクトの成長に本気で向き合い、『顧客志向』で一緒に良いものをつくれる仲間を心からお待ちしています。

●採用情報 デザイナー career-recruit.rakus.co.jp

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