米国抜きでの欧州の自衛、可能と考えるのは「夢」 NATO事務総長
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は欧州に対し、米国の支援なしに自分たちを防衛できると考えているのであればそれは「夢を見続けている」ことに他ならないとの見解を示した。
26日にブリュッセルで行われた欧州議会での演説で述べた。「もしここで誰かが欧州連合(EU)、あるいは欧州全体が米国なしで自分たちを防衛できると改めて考えているなら、そのまま夢を見続けていればいい。だがそれは不可能だ。我々にそれはできない。我々はお互いを必要としている」(ルッテ氏)
ルッテ氏は欧州諸国に対し、「本当に単独で防衛したいのであれば」国防費を国内総生産(GDP)比の10%に引き上げる必要があると警告。その上で自前での核戦力の増強が必要になるだろうと付け加えた。これには数十億ユーロ規模のコストがかかるとしている。
この発言に先駆け、欧州とその西側同盟国は激動の1週間を過ごした。この間、トランプ米大統領は米国によるデンマーク自治領グリーンランド領有の要求を引き続き強めたものの、その後スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでの演説では武力でこれを併合する可能性を公に否定した。
ルッテ氏は欧州議会の出席者らが苛(いら)立つのを承知の上で、北極圏の安全保障問題を提起したトランプ氏を称賛。「彼(トランプ氏)は正しいと思う。北極圏には問題がある。集団安全保障の問題だ。シーレーンが開通し、中国とロシアがますます積極的に活動しているからだ」と述べた。
ルッテ氏は、グリーンランド問題に関して今後二つの作業の流れがあると説明した。一つ目はNATOが北極圏防衛における集団的責任を強化し、ロシアと中国による同地域へのアクセスを阻止することだ。これは軍事と経済両方の側面から行う。
二つ目は、米国、デンマーク、グリーンランドの3者協議の継続だ。ルッテ氏は協議には参加しないと述べ、デンマークを代表して交渉する権限はなく、今後も参加するつもりはないと明らかにした。
デンマークのラスムセン外相とグリーンランドのモッツフェルト外相は、今月初めに米ワシントンで米国のバンス副大統領、ルビオ国務長官と会談した。ラスムセン氏は、会談は「建設的」だったものの、「根本的な意見の相違」が依然として残っていると述べていた。
翌週にはトランプ氏とルッテ氏がダボスで会談。トランプ氏はルッテ氏とグリーンランド問題に関する合意の枠組みに達したと主張し、その結果、米国のグリーンランド領有に反対する欧州諸国への関税賦課を中止すると発表した。




