Q.32歳エンジニアです。部長が部門の売上予算について簡単な説明をしました。1人当たり月平均の売上予算は250万円がノルマだとのことです。私の給与は裁量労働手当を含めて約40万円です。月250万円の予算が前提なら、給与や賞与が低すぎませんか。もっと上げてほしいです。給与と売上予算のバランスはおかしくないでしょうか。
給与40万円ということは、年間で480万円です。ほかに、夏冬2回の賞与があります。1回当たりの賞与が給与2カ月分(80万円)だとすると、年間賞与は160万円です。合計すると、質問者の年収は640万円といったところでしょうか。
売上予算は、1人当たり年間で3000万円(250万円×12カ月)です。これは平均値なので、実際にはエンジニアに社内格付けされたポジション(例、初級~上級エンジニア)によって個別の売上予算と給与は上下しているはずです。いずれにせよ、質問者は、自分の年収と売上予算の差に面食らっているようです。
エンジニア部門の売上予算と経費
エンジニアの売り上げは、開発の成果物や運用保守支援といった人の作業実績に対して顧客から支払われるものです。
当然、経費に占める人件費の割合は大きいです。一般的に、大企業になるほど給与・賞与は高くなります。会社が負担する法定福利費(社会保険料や労働保険料)も比例して高くなります。
事務スタッフ部門に売り上げはありません。プロフィットセンターであるシステム部門に、会社全体の経費を含めた売り上げを確保してもらわないといけません。
給与・賞与の人件費以外にも、必要な経費はたくさんあります。例えば、会社にかかる租税公課、水道光熱費、損害保険料、通信費、利用ソフトのライセンスフィー、IT機器のリース代、器具備品、消耗品、接待交際費、修繕費、車両費や駐車場代、オフィスの家賃、教育受講費用、旅費交通費などがあります。
福利厚生関係では、食堂や社宅・住宅家賃に対する補助、健康診断、結婚や忌引休暇、祝い金、香典、見舞金、表彰金、提携する福利厚生サービス施設への支払いなどです。会社の行事として、社内旅行やスポーツ大会を催している会社もあります。
経費と利益を考慮して、各部門に売上予算は割り振られます。部門に抱えるエンジニアの人数に比例して売上予算は大きくなります。
質問者は32歳です。そろそろ、会社全体と部門予算について把握しておくことを勧めます。まずは、身近な部長に、予算の仕組みと部門の売り上げや利益について聞いてください。年収と比較して考えるよい機会です。その上で、自分のポジションにおける現在給与に納得できないということであれば、転職を考えるとよいでしょう。
リファラル採用を含めて中途採用を重視するIT会社は増えています。実際に転職する・しないに関係なく、自身の価値を把握する上で他社のリサーチはお勧めしたいところです。