政界引退後も抜群の注目度を誇る小泉純一郎元首相が「原発ゼロ」を主張し始めた。「首相が決断すればできる」と安倍晋三首相にエネルギー政策の転換を突き付け、「即ゼロがいい」などと即時の脱原発論を展開した2013年11月12日の記者会見の主な内容をお伝えする。
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私は総理退任以来、テレビ出演もインタビューも全てお断りしていた。毎日新聞で(小泉氏の脱原発論を取り上げた)コラムが出てから、いろんな方からインタビュー申し込みがあって、お断りするのも大変だなあと思っていたところ、ここで話せば取材を受けなくていいじゃないですかというお話があった。それもそうかなあと思って、今日は喜んでやってまいりました。
先月(10月)、読売新聞が社説で私を批判していましたが、それに対する私の意見から始めたいと思います。あの社説の批判の一つは、代案を出さないで原発ゼロ発言するのは無責任、あまりにも楽観的過ぎるという批判ですね。しかしね、この原発問題は広くて深くて大きな問題ですよ。国会議員だけで代案を出そうと言ったって、なかなか出る問題じゃありません。まして私一人が代案を出そうなんて、それは不可能です。
だから、政治で一番大事なことは方針を示すことだ、と。原発ゼロの方針を政治が出せば、必ず知恵のある人がいい案を作ってくれる。内閣に原発ゼロに賛同する専門家、経済産業省、文部科学省、環境省の官僚を含めて識者を集めて、ゼロにする場合、何年かけてゼロにするのか、その間の再生エネルギーはどう促進して奨励していくのか(検討してもらう)。
あるいは原発を廃炉にする場合も、専門家、技術者をどう確保していくのか。さらに原発ゼロになった時の地域の発展をどう考えるのか。原発ゼロ後の、再生エネルギー、雇用問題をどうするか。こういう問題を一議員、一政党だけで出せるわけないじゃないですか。だから、専門家の知恵を借りて進めていくべきだというのが私の考えです。
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