ダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)の
J・マスシス(J. Mascis)が「自身のギタープレイに影響を与えた5枚のアルバム」を発表。ギターを弾き始める前から実際にギターを弾き始めた頃まで、自身のスタート期間に焦点を当てて5枚を厳選しています。consequence企画より。
■Wipers / Over the Edge
「ギターを弾き始めた頃に一番ハマってたアルバムは、ワイパーズの『Over the Edge』だった。自分のギタースタイルを作り上げるために真似ようとしていたものの一つだったんだ。これが初めて聴いたワイパーズのアルバムで、何度も聴き込んだよ。そのサウンドを真似て自分のギタースタイルを形作ろうとした。ダイナソーを結成したのとギターを始めたのは、ほとんど同時期だった。ドラムから転向したばかりで、ちょうどヴォーカルを追い出したところだった。だから、曲の半分を僕が歌うことになった。ヴォーカリストを入れないことに決めていた。すべての曲は僕が書いたんだけど、当時はまだ歌い始めたばかりだったので、ルー(バーロウ)に半分歌ってもらったんだ」
■The Stooges / The Stooges
「僕が大きな影響を受けたアルバムで、ギターを聴くならぜひ聴いてほしいと思うのが、ザ・ストゥージズの1stアルバムなんだ。あれが、ずっと自分にとって最高のギターの音色だと思っていた。まさに僕がずっと追い求めてきた音色だ。ロン(アシュトン)のプレイがとにかく好きでね。なんだか、自分にも手が届きそうに感じたんだ。絶対に弾けないと思うほど難しくはなかった。完璧に弾くのは無理だけど、全く手が届かないってわけでもない。練習すれば弾けるかもしれない、そんな感じだった」
■Joy Division / Unknown Pleasures
「長年気づかなかったんだけど、リフを弾いてると、ふと“あ、これジョイ・ディヴィジョンだ”って気づくんだ。どうしてかは分からないんだけど、どういうわけか僕の中に染み込んでしまっているんだよ。ギターを弾く時に、特に彼らを意識してるわけじゃないけど、でも確実に頭の中に染み込んでいるんだ。気づくとジョイ・ディヴィジョンのリフを弾いてたりする。自分でもよく分からないんだけど、まあクールだなって思うよ。街のピザ屋のスピーカーからジョイ・ディヴィジョンが流れてきた時、“なんか変なことになってるな”と思った。いつからジョイ・ディヴィジョンがピザ屋のBGMになったんだろう?」
■Void / Faith/Void
「VoidとFaithの(スプリット)アルバム。当時はハードコアにハマっていて、ハードコアバンドにもいたんだけど、Voidはその頃の僕たちの大好きなバンドの一つだった。彼はなんていうか、ワイルドだった。ハードコアにヘンドリックス風のギタープレイをガンガン入れてくる感じで、当時すごくクールに聞こえたし、真似するのはめちゃくちゃ難しそうに思えた… 彼は弾丸ベルトを付けていて、他のバンドにはあんな風に弾けるほど上手い人はいなかった。ハードコアにヘンドリックスの要素を少し入れているのが、とにかくクールでカッコよかったんだ」
■The Birthday Party / Junkyard
「バースデイ・パーティ『Junkyard』の(ギタリスト)ローランド・S・ハワードだよ。ダイナソーを始めて大学に入った頃によく聴いていた。彼は、ギターであれだけ騒々しい音を出すかと思えば、バックでメロウでクールな短いワーミーバーのパートをさらっと弾いたり、そうかと思うと完全なノイズに突入したりする。そういうところがとにかく好きだった。当時の僕には、すごく刺激的だったんだ」