お酒

“ロゼ=甘口”の時代は終わった。
シャトー デスクランが示す、大人のための最上級ロゼ体験。

2025.06.05

“ロゼ=甘口”の時代は終わった。<br>シャトー デスクランが示す、大人のための最上級ロゼ体験。

ロゼと聞いて、甘く軽やかなワインを思い浮かべる方は少なくないだろう。しかし今、世界中の一流レストランやホテルで「本気のロゼ」が脚光を浴びている。その中心にあるのが、南仏プロヴァンスの名門「シャトー デスクラン」だ。先日、開かれたお披露目会にて、その革新の本質に触れた。

世界に挑むプロヴァンスの名門

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シャトー デスクランは、サントロペから北へ約40km、ラ・モット・アン・プロヴァンスに位置する、19世紀中頃に建てられた美しいシャトーを本拠地とする。

現在、醸造責任者(テクニカル・ディレクター)を務めるのはベルトラン・レオン氏。彼は、ボルドーの五大シャトーのひとつ、シャトー・ムートン・ロートシルトで醸造責任者を務めた故パトリック・レオン氏の息子であり、父から受け継いだ高度な技術と哲学を土台に、シャトー デスクランの品質をさらに進化させている。

その精神は、畑仕事から醸造まで一貫して表れている。例えば、収穫は夜間の涼しい時間帯に行い、酸化を防ぐための温度管理を徹底。ブドウは視覚的に選別され、最もフレッシュな果汁だけを使用する。香り、味わい、余韻、すべてにおいて、緻密な計算とていねいな仕事がなされている。

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個性で選ぶ3種のロゼ

今回のお披露目会では、3種のロゼが振る舞われ、それぞれの個性と完成度の高さに圧倒された。

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シャトー デスクラン ウィスパリング エンジェル 2024(Whispering Angel)¥3,410

繊細な柑橘の香りに導かれるように、滑らかな果実味と爽やかな酸が口の中に広がる。骨格がありつつも、柔らかさと透明感があり、料理との相性も抜群だ。温度管理されたステンレスタンクで発酵・熟成されるこの一本は、ロゼの“軽さ”という固定概念を優雅に裏切ってくれた。

「ゼロ・シュガー」で造られているのも特徴で、ドライな味わいを好む人にこそ飲んでほしい。甘さのないクリーンなスタイルが際立ち、ロゼに革命を起こすべく「ロゼ・ルネッサンス」をコンセプトに、”世界で最も偉大なロゼを”というヴィジョンを掲げている。

また、ウィスパリング エンジェル 2024について、創設者のサシャ・リシーヌ氏は「間違いなく、これまでのウィスパリング エンジェルのなかで最高のヴィンテージ。ロゼワイン造りのディテールの集大成で、完璧にひとつにまとまった」と語っている。

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シャトー デスクラン ロック エンジェル 2022(Rock Angel)¥4,455

ウィスパリングよりも一段深みがあるロック エンジェル 2022は、30%をオーク樽で発酵・熟成することで、味わいに複雑さと奥行きが加わる。魚や肉料理どちらも相性がいいので、料理とのペアリングを重視するビジネスパーソンには、まさに理想的な一本だ。樽の香りが突出することなく、果実味とミネラル感が心地よく調和している。

使用するフレンチオーク樽は600Lサイズのドゥミ・ミュイ。その絶妙な木との接触が、過度にオーク香を出さずに丸みと余韻をもたらしている。ロゼでありながら、しっかりとした存在感を感じさせてくれる。

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シャトー デスクラン ガリュス 2022(Garrus)¥20,460

樹齢100年近いグルナッシュとロールを用い、すべてを600Lの大型オーク樽で発酵・熟成。凝縮感とエレガンス、長い余韻を備えた『シャトー デスクラン ガリュス 2022』は、トップクラスの白ワインやプレステージシャンパーニュにも匹敵する存在だ。熟成も可能な、まさに“大人のロゼ”である。

その味わいは、深く豊かで、しなやか。白桃や柑橘、ほのかなスパイスを思わせる香りが立ち上がり、時間とともに表情を変える。ひと口含めば幸福感に包まれ、リッチで長い余韻が静かに感動を残す。

この日は、熟成された2017年ヴィンテージと比較試飲も行われた。2022年の若々しさに対し、2017年は甘みと奥行きが増し、色調はピンクからややイエロー寄りに変化。華やかさと香りの広がりも一層感じられ、時を重ねたロゼならではの深みが印象的だった。

ベルトラン氏いわく、「ロゼでありながら、グランヴァンとしての構造を備えている」とのこと。特別なディナーや大切な人への贈り物にもふさわしい、至高の一本だ。

一杯のロゼに、センスが宿る

実は今、アメリカやフランスでは白よりもロゼの消費量が多いという。シャンパーニュのように「開けると場が華やぐ」存在として、ロゼはその地位を確立しつつある。赤ワインほど気負わず、それでいて味わいは本格的。そんなバランスの良さが、現代人のライフスタイルにフィットしているのだろう。

さらに、昨今はワインを選ぶ基準が「重さ」から「シーンとの親和性」へと変化している。ビジネスシーンでも、軽やかで洗練されたロゼをスマートに差し出す姿は、審美眼と余裕を感じさせる。ロゼは今、知的でスタイリッシュな選択肢のひとつなのだ。

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今回のお披露目会が開催されたのは、代官山のレストラン「L'eclaireur(レクレルール)」。洗練された空間で、シャトー デスクランの世界観と共に3種類のロゼが披露された。なお、『シャトー デスクラン ガリュス』は、今後、L'eclaireurにて限定でバイザグラス、ペアリングでの提供を予定しているとのことで、ロゼを愛する人々にとっては見逃せないニュースだ。

軽快に、しかし確かなこだわりをもって選ばれた一本には、飲む人の美意識が宿る。次の会食や手土産には、シャトー デスクランのロゼを。新たな一杯が、あなたの時間に静かな風格を添えてくれるはず。

そして「ロゼは甘い」という先入観は、もう過去のもの。目の前の一杯が価値観をアップデートさせてくれ、次のステージへと導いてくれる——。そんな体験が待っているだろう。

掲載した商品はすべて税込み価格です。

問/MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社 https://www.mhdkk.com/brands/chateau-desclans

Text: Tomoko Komiyama

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