偏差値60の壁なんてない

中学受験のサポート歴20年以上の経験から、心構えや考え方を公開します。

各塾の2025年中学入試合格実績の分布と前年度比+模試の受験推奨範囲など

今年も各塾の2025年中学入試合格者数を5つのグループに分け、それぞれの塾の合格数の比率をグラフ化しました。前年度からの増減比や、1日10校の合格数在籍比も出しています。

志望校を目指すには自塾でどのあたりを目標にするかのイメージや、他塾の模試受験を検討する際の参考などにどうぞ。

 

 

評価方法とグループごとの偏差値分布

各校の評価方法

今回の集計対象校は315、集計対象の塾は36、合格数合計は118,295で、取得日時によって最終の数値と異なることがあります。

集計対象校は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県+茨城県の一部で、関西や地方校の東京入試などは除外しているため、各塾の全合格者数とは異なります。

分布把握のためのグループ分けは、特にボーダー付近では塾によって偏差値の逆転も珍しくありません。評価ポイントは各入試回の偏差値を平均→各塾の数値を平均して算出しており、主に以下のような不正確な点があります。あくまで大まかな分布の目安としてご覧ください。

・ある塾の偏差値が不明の入試で、他塾の偏差値がわかるものは推定値を入力し、全ての塾で偏差値不明の入試回は除外しています。

・各入試回偏差値の単純平均のため、入学者数の少ない高偏差値入試回の影響が出やすく、評価ポイントが実際の入学者の中央値より高めになることがあります。

・全体的な傾向の調整として男子校+1、女子校-1、共学校は男女平均としていますが、偏差値帯によってもばらつきがあるため多少のズレが生じます。

・推薦、第一志望、帰国生、英語入試などは基本的に除外していますが、定員合算のものは含むこともあります。同様に合格数も、SS-1や受験ドクターなど帰国を分けて表示してあるものは除いていますが、全ての塾が同じようにしているとは限りません。

グループは各塾の公表合格者数合計を均等に近づくように5分割していますが、①が少なくなっています。

偏差値分布の画像は、左からSAPIX四谷大塚日能研、首都圏模試の偏差値を正規分布として、各グループの該当範囲を赤系で示したものです。

グループ①

評価65以上の25校(合格数13,817)

SAPIXの上3分の1、四谷日能研では上1割に入らないと厳しいグループ。1回入試校も多く、能力的にはっきり浮いている子や、賢い上に相当な努力を積めた子が届くところ。普通に賢いくらいの子が2年の通塾だけで合格することは難しいです。

対象校一覧

 

グループ②

評価60以上の30校(合格数24,959)

SAPIXではボリュームゾーンの上寄り、四谷日能研では上3分の1くらい。クラスで指折りくらいの子が2〜3年の通塾と結構な家庭学習をこなして届くグループで、①に届くレベルにあった子の受け皿にもなっています。

対象校一覧

 

グループ③

評価55以上の43校(合格数26,181)

SAPIXの真ん中〜下寄り、四谷日能研では真ん中より上あたりで、首都圏模試ではまだボリュームゾーンに届きません。クラスの上位2〜3割には入る子が数年の通塾と家庭学習でこのグループまで届けば大健闘です。

対象校一覧

 

グループ④

評価46以上の76校(合格数26,525)

SAIPXでは下3分の1にかかり、四谷日能研ではボリュームゾーンからやや下方向、首都圏模試の上3分の1くらいのグループ。このあたりがクラス上半分から通塾して頑張れば届く可能性があるゾーンで、日大や東洋大まで上がれる学校や、マーチ以上の大学への推薦枠を多く持つ学校もあります。

浮きこぼれて苦労しているレベルでなければ、志望校は③④あたりから探しはじめ、中学受験の適性が高ければ段階的に上げていくのが良いやりかただと思います。

対象校一覧

 

グループ⑤

評価45未満の141校(合格数26,813)

四谷日能研の下3分の1、首都圏模試では全体の3分の2ほどを占めます。平均的な学力の子が受験勉強に取り組んで狙えるのはこのグループですね。対象塾合格数の集計上ひとまとめにしていますが、学校数は対象校の4割強で、④と同等レベルから比較的入りやすいところまで入試難易度の差も大きいグループです。

特に、首都圏模試の下3分の1に相当する偏差値45以下の学校になると、SNS上などでは進学する価値が低いかのような表現をされることがありますが、例えば首都圏模試40〜45の入試でも、小学校のテスト満点程度の学力だけで合格点を取ることはほぼできません。

小学校のテスト満点+αの努力をした子たちが集う環境ですから、進学意欲も高く、設備も優れているところがたくさんあります。解像度低めの人が持っている「公立高に進学できない成績不振者が、金を払って行く私立高」のようなイメージとは大きく異なりますね。

対象校一覧

 

模試の受験目安

ひとつの模試を継続的に受験し、補強ポイントや立ち位置を確認していくのが基本ですが、塾のカリキュラムや模試には得意な範囲があるので、主な分布から外れる場合には他の模試を受けることが有効な場合もあります。志望校が会場になる模試があれば、雰囲気を経験するために挑戦するのも良いでしょう。

分布が厚めな範囲は、SOは①〜③、合不合と日能研は②〜④、首都圏模試は④⑤です。ですから、志望校が①の場合はSO、⑤なら首都圏模試の受験者層が近くて参考にしやすく、逆に首都圏模試では①②、SOでは④⑤での立ち位置はわかりにくいと言えます。

自塾の偏差値を基準に他塾模試を検討する場合は、サピ45未満なら合不合か日能研で35未満なら首都圏模試、日能研で65以上ならSO、45未満なら首都圏模試を考えてみるようなイメージですね。

 

各塾の合格者分布

今回の集計対象の全合格者分布は以下のようになっています。この形との差が大きいところが、その塾の特徴と言えます。昨年と比べると、グループ別では①が減少して⑤が大幅増という安全志向が強めの年でした。

また、1人で複数合格することもあるため、在籍生の進学先比率や学力分布と同じではありません。こちらは私がサポートした受験生の合格校(薄色)と進学先(濃色)の分布です。進学先のひとつ下のグループなどで、複数の合格を獲得することが多いことがわかりますね。

なお、集計対象のうち合格実績を一部のみ公開している塾(ena・臨海セミナー・あづま・スピカ・Z会エクタス・湘南ゼミナール・ステップ)は分布がわからないため、グラフ化していません。

SAPIX

まずは①②の合格者率が50%を超えるSAPIX型の4塾。SAPIXとグノーブルは似た分布になっていて、希学園首都圏とエルカミノは①②の合計比率が6割を超えています。

浜学園は、前年度までの「首都圏専門中学受験塾 駿台浜学園」から今年度は「進学教室 浜学園」となり、実績も「浜学園グループ 首都圏合格実績」としたことで、遠征合格数もカウント可能にした影響がありそうな形になりました。今年度は在籍数も出していないので、1日10校の割合比較からも外れています。

四谷・早稲アカ型

次は②〜④にボリュームがくる5塾。四谷大塚は全体平均に近い形ですが①②は下回って③が最多、早稲田アカデミーは①〜③がやや上回る形。

 

ジーニアスは②④、アントレは③に次いで④が多く、おぎしんは④が多めになっています。

 

日能研

①が5%以上で④⑤が多い日能研型は、それぞれ特徴が出ています。日能研は①〜⑤まで階段状に増えていく形で、スクールFCも似た分布ですが⑤が多め。

 

市進学院、啓進塾は④が最多で、啓明館は④⑤で6割を超えます。

栄光ゼミ型

最後は小規模塾が多い①が4%未満の塾。栄光ゼミナールとプレイス進学教室は⑤が5割超で特に多いですね。

 

E-style、スタジオキャンパス、茗渓塾は⑤が4割台で、④との合計が4分の3を超えています。

 

エデュコは③、日本教育学院は④が突出している特徴的な形ですね。

 

個別指導塾など

ここからは集団塾との併用が多い個別指導や算数塾などの分布です。集団塾との併用ではSAPIXやグノーブルを勧められるフォトンは、今年も①②で86%と偏った形です。

 

TOMAS、受験ドクター、SS-1は②が最多の形で、上位校志向の受験生が多めの印象ですね。

 

個別進学館と創研学院は日能研型に近く、ユリウスは栄光ゼミ型に似た分布ですね。

 

1日10校の合格率

こちらは在籍数を公開している塾で、2月1日入試の10校の合格数が在籍数に占める割合を示したものです。対象10校の合格数合計は2,353で、対象10塾の全合格数15,937の14.8%です。

例えば開成合格者は、1月渋幕、2日聖光、3日筑駒などに複数合格するケースも珍しくないため、重複しない1日10校に絞ると難関合格率の目安になります。

約3割を占めるエルカミノは、開成に次いで武蔵が多いのが特徴的。SAPIXとグノーブルは2割近くで、グノーブルは駒東と麻布の比率が多くなっています。希学園首都圏も全体平均は上回っていますね。

アントレは今年も圧倒的に武蔵に強く、早稲アカはやはり早大学院の比率が高め。世田谷区に多いジーニアスは今年も武蔵の比率が高めで、神奈川の啓進塾は今年も女子はフェリスですが、男子は普通部ではなく麻布に合格しています。

 

各塾の前年度合格実績との比較

こちらでは今年度と昨年度の合格数を比較し、増減率を出しています。在籍数の増減や1人あたりの受験数・合格数の多寡の影響もあるので、目安としてご覧ください。並びは対象校の合計合格数が多い順、右上は在籍数の前年度比で、こちらは全体の増減です。

①の0.84を下回る塾が多くなっていますが、これは難関校ほど合格実績数が多めに出る影響もあります。集計合格数と各校の実際の合格者数を比べると、グループ①では1.5倍超になりますが、グループ③では約1倍になり、グループ⑤だと約0.6倍に留まります。塾の併用や重複カウント、補欠合格者数の追加などの影響もありますね。

 

四谷大塚は全体的にはやや増加、日能研は①②④は全体に比べて減少傾向です。

 

早稲アカは全体の傾向と良く似た形で、SAPIXは④⑤の増加が目立っています。

 

栄光ゼミは昨年の増加の反動もあり、全帯で全体平均を下回っています。市進は②が増え、①③⑤が減る特徴的な形。

 

グノーブルは全帯で平均を上回っています。ジーニアスは①〜③は下回り、④⑤が上回る形。

 

啓進塾は①③が減って④が大幅増、スクールFCは①②④が減って③の増加が多め。

 

希学園首都圏は①③④が減り、②と⑤に偏った形。啓明館は全体的に減少で⑤が大幅増です。

 

エルカミノは③⑤の増加、おぎしんは①②⑤の増加が目立ちます。

 

アントレは③以外が減少、浜学園は先述の通り①②に偏った増加の形。

 

スタジオキャンパスは①が0で⑤が大きく増加し、全合格数でも増加になりました。茗渓塾は①〜④で減った分が⑤で埋まって全合格数が同じになっていますね。小規模になるほど、数名分の合否でも割合に与える影響は大きくなります。

 

エデュコは①が0で、③で大きく増やしたものの全合格数でも減少。日本教育学院は②④が増加、全合格数でも増加しています。

 

ここからは個別指導塾など。

TOMASは全体に増加傾向で、個別進学館も①がやや減り多めですが全体的に増加です。

 

ユリウス、受験ドクターはともに全体的には減少傾向です。

 

SS-1は①③の減少が多めで、⑤はかなり増加。フォトンは元々が少ない影響で③〜⑤が増加して見えますが、数としては少し増えたくらいですね。

 

グループ別学校リスト

先述の通りいろいろとブレもあるグループ分けなので、◯◯より◯◯の方が〜といったこともあると思いますが、塾の方向性や指導経験が多いゾーンのイメージ用としてご覧ください。

グループ①

男子校12・女子校4・共学校9

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グループ②

男子校9・女子校7・共学校14

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グループ③

男子校9・女子校6・共学校28

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グループ④

男子校5・女子校21・共学校50

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グループ⑤

男子校5・女子校47・共学校89

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2025年受験組の方の中学受験体験記

2025年度の受験生保護者の方からお寄せいただいた、中学受験体験記をご紹介します。

Ⓢは個別サポート、ⒶはLINEサポート・成績分析・メール相談をご利用になった方からの体験記です。

Ⓢ Rさんのお母さんの体験記

◯中学受験の思い出
何も勉強をせずに小3・9月に四谷大塚の入塾テストを受けたら不合格。準備講座を経てやっと新小4の2月に四谷大塚へ通塾開始しました。楽しく通い、かなり勉強をがんばっていたこともあり、成績はぐんぐん伸び、小5・夏前にSAPIXへ転塾しました。6年生現実とシビアに向き合わなければならなくなり、改先生へ成績分析をお願いしたことをきっかけに個別サポートをお願いしました。ずっと算数が得意科目だったのですが、志望校の入試問題には歯が立たず。本人もこのままではいけない、と感じつつもどうしたら良いかわからず辛い時期もありましたが、改先生に問題点を動画で提示、更には個別の対策プリントを作成頂き、とても励みになったようです。親は共働きでほぼ家にいなかったため、本人に任せっきりでしたが、結果的に熱望校にご縁をいただけて良い受験だったと思うことが出来ました。

 

◯こうしておけばよかったと思うこと
4年生の時、あまりにもスタートが悪かったので、かなり勢いをつけて勉強を頑張らせてしまいました。4年夏には目標校の偏差値付近まで伸びてしまったので本人の中で「こんなものか」という甘えが生まれてしまい、6年1月で不合格を食らうまでスイッチが入りませんでした。今思えば、もう少しゆっくり余しをもたせて取り組むようにスケジューリングすべきだったと思います。

 

◯予想外や想像以上だったこと
4年生時は真面目に勉強に取り組んでいたので、自習室のないSAPIXへ転塾しても大丈夫と思っていましたが、転塾したとたんに自宅で勉強ができなくなりました。よくよく話したら、いつも塾で自習はしていたけれど、自宅で勉強をほぼしていなかったとのこと。やってしまった、、、と転塾を少し後悔しました。

 

◯特に困難だった時期と、その乗り越え方
6年夏以降、周りはアクセルを踏みだしているのに我が子はまだのんびりしており、本番に近づくほどやる気と成績が低下していきました。本人も焦り、やる気はでないけれどやらなきゃ!と夜更かしをして昼間は居眠り、と悪循環。4回目の合判SOで最低偏差値かつSS特訓の席次が真ん中より後ろになったところで塾の先生から「まずは生活習慣を正すこと。親が何とかするように。」とお叱りを受けました。子供と話し合い、『課題が終わらなくても10時半には絶対寝る』と約束をし、生活習慣を正しました。するとみるみるうちに元気になり、席次も回復。模試がなかったので成績はわかりませんが、なんとなく学力が戻ったように感じました。改先生からも睡眠の大切さというお話もしていただき、より心に響いたことで行動に移せたようです。当たり前のことでお恥ずかしいですが、本当に睡眠でこんなにパフォーマンスが変わるのか、と驚きました。

 

◯やってみてよかった、役に立ったこと
国語と社会の漢字がとにかく苦手だったのですが、改先生が漢字プリントを作成して下さり取り組んだおかげで人並みに書けるようになりました。算数の苦手分野のプリントも作成くださり、取り組んだことで自信にもつながりました。

 

◯塾の良かったところ、良くなかったところ
メインの塾はSAPIXでしたが、熱望校の対策クラスがなかったためNN講座にも平日オンラインで参加していました。自習室もなかったので、別で自習室を契約。また、相談できる先生として改先生に個別サポートをお願いしました。このように、足りない部分は諦めて他の方や場所に頼ったので特に不満はありません。

 

◯相談・サポートの感想
改先生に成績分析を6年前期にお願いした事をきっかけに9月から個別サポートをお願いしました。過去問に取り組み始めていたので、問題と答案を見ていただき、改善点を動画で指摘していただくことがメインでした。算数は成績が良かったのであまり目を向けてこなかった点をご指摘いただき、本人も納得して改善点に取り組むようになりました。


特に1~2月の入試期間中は密に連絡を取って頂き、娘も親もとても安心したことをよく覚えています。入試当日の朝に子にむけたメッセージを全入試で送ってくださったことにはとても驚きました。先生いつ寝てるのかな?と娘も心配しておりました笑。入試が連日続いていた時も、「この学校の問題、解き方が合ってるか見て欲しい」という娘の無茶ぶりにも応えて下さり、感謝しております。


また、1次試験が不合格で2次にチャレンジすると決めた期間中、SS特訓の冠校をうけるべきかどうか迷っていた際、改先生から塾の先生ではないお立場のフラットなご意見をいただけたのがとても良かったです。結果、冠校を受験しつつも熱望校の合格もいただけて悔いのない受験にすることが出来ました。本当にありがとうございました。

 

Ⓢ Aさんのお母さんの体験記

この2年間、大変お世話になりました。先生の励ましとアドバイスのおかげで乗り越えることが出来ました。

受験勉強の日々は思うようにいかないことの連続でしたが、最後、冬休みから本番までの期間を通して長い勉強時間と前向きな気持ちを持ち続けたことに、子どもの成長を感じることができました。

特に困難だった時期は、小6の秋でした。

夏休み明けから修学旅行や運動会の学校行事が続き、体力面・精神面共に疲れ果てている中で過去問が徐々にスタートしたことでバランスが崩れ、勉強が手につかなくなりました。

泣き崩れる本人を目の前にしながらも落ち着いて子供を休ませる、そして見守るよう先生からアドバイスをいただきパニックにならずに対応することができました。

その時のことは、家族全員で絆を深めた出来事として印象深い思い出です。

また、先生からのアドバイスでありがたかったのは併願校検討のデータでした。

学校については全体像を把握できていない状態だったため、検討のポイントをまとめて提示いただけたことで、候補となりそうな学校説明会へは小5のうちにほぼ行き終えたことは小6の忙しい時期に慌てずにすみました。

最終的な併願校を決める際にも、不安がなくなるまで質問させていただき先生からのコメントは何度も読み返して、今やるべきことにフォーカスするように心がけました。

遠く長く感じる受験勉強の日々、本番が迫ってきた超直前期、それぞれに「何かあったら先生にご相談できる」という安心感が親子ともども、心のお守りでした。

先生からの解説動画や応援メッセージで娘も毎回パワーをもらっていました。

現在地を的確に分析しアドバイスいただけたことで、親である私も納得感をもって中学受験の伴走を無事終えることができました。

中学受験を終えて、娘の感想は「苦しかったけど、楽しかった」でした。
本当にありがとうございました。

 

Ⓢ Yさんのお母さんの体験記

6年生になる頃から伸び悩んでいた成績が秋の合不合では更に下降し、家庭内の空気も殺伐として、このままでは完走も危ういと感じる中で、思い切って成績分析をお願いしました。

数日後、詳細な分析結果とアドバイスを受け取り、ボリュームの凄さにまず圧倒されました。いただいたコメントを娘に見せると、「これ全部私に?」と感激していました。娘の質問には動画で解説もしていただき、久しぶりに良い顔で勉強をしている姿を見て、どうしても先生にサポートをお願いしたいと思いました。

レギュラー枠は11月末まで空きがないとのことでしたが、12月と1月に枠をいただけることになりました。直前の2ヶ月に先生がついてくれるという安心感はまさにお守りでしたし、そこまでの間も丁寧にご対応いただき、それまでとは大きく違う空気で受験に向き合うことができました。

当初は算数からでしたが、最終的には国語の添削まで全教科ご対応いただき、娘は「改先生は全部できるの?」と驚いていました。父親まで先生の解説のファンになり、家族で一緒に視聴したことも良い思い出です。

併願校の選定時には、作成いただいた検討シートがとても役立ちました。学校説明会でもプリントに書き込み、いろいろなパターンを検討していました。

また、併願候補のいくつかについて競争激化の可能性が高いことを伺えたのも大きかったです。塾からは何も言われなかったのですが、このアドバイスをいただいて決めた受験校の対策に切り替え、無事に合格をいただくことが出来ました。親としてはこの時点で「全滅はない」という安心感を得られたのも大きかったですし、当初の候補校に同じ校舎からの合格者はなく、やはり厳しい戦いだったのだろうと思います。

受験当日の朝メッセージも、本当に支えになりました。前日の質問への解説も一緒に届いて、やっぱり先生は何人かいるのかな?などと言っていました。

家族の絆も深まり、結果として大満足の受験となりました。いつも温かく落ち着いた先生の支えで、娘も家族も最後まで頑張り通すことができました。本当にありがとうございました。

 

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東京都の中学受験率 市区別ランキング

都内の私立・国立・都立中学への進学者数は増加傾向にあります。こちらの記事では東京都教育委員会の資料から私立・国立・都立・都外への進学率を市区別にランキングしています。

この中には国私立小学校からの内部進学も含まれるため、全てが中学受験生ではありませんが、数は少ないため本記事中ではこれらを含め「受験率」としています。大まかな傾向としてご覧ください。

文京区・中央区・港区

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23区の卒業生徒数は2019年に比べ約1割増加、平均受験率は29.2%で、2019年と比べ2.8%の増加です。1位文京区、2位中央区、3位港区は5年前と順位も変わらず、ほぼ半数が地元公立以外の進路を選んでいます。

受験率が高いエリアには進学意識の高い家庭が多いこともありますが、無理なく通える範囲に多くの私立中があることも一因ですね。

目黒区・千代田区・渋谷区・世田谷区

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4位から7位の四区はいずれも40%台、5人に2人が受験するイメージですね。千代田区は受験率が3.3%減って順位をひとつ下げていますが、卒業生数が3割以上増えているので受験者数自体は169→214と増加しています。

 

新宿区・品川区・杉並区・豊島区・台東区江東区

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23区平均を超える六区。ここでおよそ3人に1人が受験する感じで、11位から8位に上げた新宿区からの受験者数は429→617と4割以上増加しています。

 

中野区・北区・荒川区大田区

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都全体の平均23.7%を超える四区は、概ね4人に1人が受験する環境ですね。大田区も受験率は微減ですが、受験者数自体は1183→1243と増加しています。

 

練馬区墨田区板橋区葛飾区・足立区・江戸川区

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都平均以下の六区は順位の変動なし。卒業生徒数の増加も比較的緩やかで、5人に1人くらいの雰囲気ですね。

 

市部上位

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市部の平均(13.8%)以上の11市。トップの武蔵野市は23区と合わせた全体の13位で、三鷹市も都の平均は上回っており、この二市の進学事情は23区内とあまり変わらない感じですね。

 

市部下位

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市部の平均を下回る15市。下に行くほど立地的に通いやすい私学は少ない代わりに緑豊かな環境も多くなるイメージです。

資料等

全て並べた画像はこちらです。もう少し詳しい全体版はPDFで閲覧してください。

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元の資料はこちらからダウンロード可能です。(第1表 状況別卒業者数)

 

2019年の記事はこちら。

中学受験2018結果偏差値と2024大学合格実績の分布イメージ

今回は、中学入学時=2018年の中学受験結果偏差値と大学進学時=2024年の大学合格実績の分布です。中学入学に向け、6年間の過ごしかたが大事というお話をする時などに使う説明用で、画像が大きいのでPC閲覧推奨です。

偏差値は四谷大塚2018年結果偏差値で、偏差値が出ていない入試回は日能研2018年結果偏差値で補完しています。数字は1クラス40人とした場合の、クラスあたりの合格者数です。人数が多いところほど濃色になっています。

なお、東京大、千葉大、埼玉大、横国大の附属は中学のみ、お茶の水学芸大は高校入試がある異なる学校扱いで、数字は入れていません。

 

有力国公立以上

まずは有力国公立以上。Sクラス相当(偏差値63以上)だとクラス半数を超えるところもあり、2桁は普通。C相当(55〜62)では5〜10人、B相当(45〜54)では3〜5人という感じで、A相当(44以下)でも複数が合格する学校は結構ありますね。

有力国公立以上:女子

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有力国公立以上:男子

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中学受験時のABレベルからしっかり学力を積み、大学受験時にはCSレベルを逆転する子は毎年一定数いますし、その逆もあります。難関校は、授業の進度や周りの意識などで大学進学に有利な面はありますが、やはり入ったところでどう6年間を過ごすかが一番大事ですね。

 

東京一工国公医

東京一工国公医に絞ると数は減りますが、B相当でもクラスに1人や2人はいる学校は結構あります。

東京一工国公医:女子

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こちらは共学校(緑系)、女子校(赤系)、国公立(黄系)で色分けしたもので、白の2校は同じ学校内での別学、濃色は早慶GMARCHの附属系属校です。

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東京一工国公医:男子

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男子版では男子校(青系)、共学校(緑系)、国公立(黄系)で色分けしています。

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こちらからPDFを閲覧・ダウンロードできます。

https://e-tutor.tokyo/data/20240914/2018.pdf

 

私大を含めた進学率と偏差値分布

こちらは私大進学者数も公表している学校の偏差値分布と進学率です。マーチ以上を目指す場合、B相当なら上半分、A相当ならクラス1桁くらいをまずは目安にすると良いですね。

私大を含めた進学率:女子

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私大を含めた進学率:男子

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2024年の結果偏差値分布

こちらは2024年現在の結果偏差値分布です。2018年からは変動があるので、進学先でどのくらいの意識で取り組めば良いかのイメージにはこちらも併せてどうぞ。

四谷大塚偏差値が出ていない学校で、日能研や首都圏模試で出ているところは換算値を入れています。換算値が影響している学校は薄着色にしてあります。

2024年の結果偏差値分布:女子

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2024年の結果偏差値分布:男子

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こちらからPDFを閲覧・ダウンロードできます。

https://e-tutor.tokyo/data/20240914/2024.pdf

大学のグループ分け

学群は以下のグループ分けになっています。

○東京一工国公医

東京・京都・一橋・東京工業・国公立医学部

○旧帝+首都圏+有力国公立

北海道・東北・名古屋・大阪・九州・神戸

筑波・千葉・お茶の水・電気通信・医科歯科・東京外語・東京海洋・東京学芸・東京藝術・東京農工・横浜国立・東京都立・横浜市

国際教養・名古屋市立・大阪公立・神戸外語・京都工繊・名古屋工・広島・奈良女子・埼玉

早慶私医

早稲田・慶應・私立医学部

○上理ICU+GMARCH

上智・東京理科・国際基督教・青山学院・学習院・中央・法政・明治・立教

高校受験校と中学受験校の比較

中学受験と高校受験。それぞれのメリットデメリット、「中学受験なんかしなくても、日比谷とか西とか良い高校はあるのに〜」とか、「高校受験は内申があるから〜」とかいろいろありますね。

それぞれの楽しさや厳しさがあり、進んだ先でどんな出会いがあるかは運次第、どう過ごすかは自分次第ですが、今回は高校受験の入口や大学進学などについての比較記事を書いてみました。前提知識としてどうぞ。

 

一都三県の高校偏差値

こちらでは高校受験校を「みんなの高校」偏差値順に並べています。この偏差値は対象のテストが明確でなく、数値的に微妙なところもありますが、今回はほぼ全ての高校をカバーしている網羅性の高さで採用しています。大まかな位置関係を把握するイメージですね。

対象は一都三県の915校・1712科ですが、記事中の画像では偏差値60以上の高校を掲載しています。各科ごとの偏差値も記載している全915校の一覧をご覧になりたいかたは [一覧PDF] をどうぞ。

各校の最高偏差値順に並べていますが、同じ高校内でも科・コースによる差が大きいところがあります。例えば最高偏差値70の17校中13校は差がありませんが、春日部共栄は7、市立浦和は10、淑徳は13、薬園台は26ポイントの開きがあります。

学校全体としての合格率を見る場合にも影響がありますが、各コースごとの合格実績を出しているケースは稀なので、基本的に学校全体での合格率になっています。なお、併設型一貫校でも中学入学組と高校入学組で結果を公表している横浜市立南は合格実績では分けて掲載しています。

 

偏差値71以上

まず最初は偏差値71以上。学校数では上位45校、中学校の1クラス30人あたり1位だと狙えるイメージですね。地域差が大きく、ある中学校からはクラス2〜3位でも行けるし、別の中学校ではトップでも厳しいようなこともありますが、一都三県内のおおまかなイメージとしてご覧ください。

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偏差値69以上

次は偏差値69以上、クラス2〜3位だとこのあたりを目指せます。

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偏差値65以上

偏差値67以上になると上位1割を超え、クラスの4位くらい。65以上でクラス5位相当ですね。

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偏差値60以上

偏差値60までで上位282校、クラス9位相当。

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各都県の公立校の募集人数

国私立と各都県の公立では入試形式や越境も異なるので、今度は各都県の公立校の募集人数で比率を出してみます。

 

東京都の公立校募集人数

まずは東京都、よく名前の挙がる日比谷、西、国立はクラストップレベルで、偏差値60以上はクラス7位くらいですね。

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神奈川県の公立校募集人数

神奈川でも翠嵐、湘南、柏陽はクラス1位レベル。偏差値60以上は神奈川、千葉、埼玉ともクラス8位相当です。

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千葉県の公立校募集人数

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埼玉県の公立校募集人数

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中学受験偏差値と高校受験偏差値の比較

こちらでは併設型一貫校の中学偏差値(首都圏模試)と高校偏差値(みんなの高校)で並べています。

高校でもSAPIX駿台、進研などの模試がありますが、全ての層の学力を見る偏差値はありません。学力差が大きい集団で上3分の1くらいの層の実力差を測る問題を作ると、下3分の1の層は得点することが難しく差がつきません。逆に下3分の1の中で差ができるような問題では上3分の1はほぼ満点になるため、全ての層の学力を測定するのはとても難しいわけですね。

ですから、実際に受験校を検討する際には、例えば中学受験の上位層ならSAPIX、中上位層なら四谷日能研、中下位層なら首都圏模試で力を見るのが適切ということになります。

こちらの表では、同じ学校でも入試が異なるので単純換算はできませんが、帯で平均を見ると首都圏模試65以上では同じ70、55〜64では首都圏模試60に対しみんなの高校は64と4ポイント差、54以下では47と60で13ポイント差になります。

これは、みんなの高校の50以下では就職メインの学校が増えるのに対し、首都圏模試では35〜40でも大学進学を前提としている学校が多く、層が異なるためです。ざっくりとした分布を見るものとしてご覧ください。

 

首都圏模試65以上

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首都圏模試55〜64

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首都圏模試54以下

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高校受験校・併設型一貫校・完全一貫校の大学合格実績

ここからは各校の大学合格実績を入試種別ごとに並べてみます。まずは東京一工国公医への合格率で、1クラス40人あたりの人数で区切ります。

東京一工国公医クラス10人以上

学校数では高校入試校3:併設型一貫校4:完全一貫校14で、高校入試校からは日比谷、浦和、翠嵐が入りました。

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東京一工国公医クラス5〜9人

ここには33校が入り、高校入試校7:併設型一貫校17:完全一貫校16です。高校入試校は70〜73で、中学校でクラス1,2を争えるレベルの子が狙える進学先ですね。

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東京一工国公医クラス2〜4人

この層の高校入試校は68〜72。中学のクラス2〜4位相当ですから、まだ入りやすいとは言い難いですね。44校中、高校入試校11:併設型一貫校8:完全一貫校25です。

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東京一工国公医クラス1人

別記事では出していない、東京一工医にクラスから1人は行くかな、という学校群。全61校で、高校入試校24:併設型一貫校21:完全一貫校16となっています。

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次は難関国公立への合格率で、集計対象は以下の大学です。特に有力国公立枠では入試が難しい大学を全てカバーできているわけではありませんが、一都三県の高校からの進学先として候補に挙がりやすい大学を選んでいます。

北海道・東北・名古屋・大阪・九州・神戸

筑波・千葉・お茶の水・電気通信・医科歯科・東京外語・東京海洋・東京学芸・東京藝術・東京農工・横浜国立・東京都立・横浜市

国際教養・名古屋市立・大阪公立・神戸外語・京都工繊・名古屋工・広島・奈良女子・埼玉

 

難関国公立クラス20人以上

クラス20人以上には19校が入り、高校入試校9:併設型一貫校4:完全一貫校6となりました。

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難関国公立クラス15〜19人

ここは31校、高校入試校7:併設型一貫校9:完全一貫校15です。横浜市立南の中学入学組はここに入っていますね。

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難関国公立クラス10〜14人

ここは35校で、高校入試校15:併設型一貫校4:完全一貫校16。高校入試校からは、東京一工医には届かなくても堅実に良い国公立大学に進学する層が多いですね。

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難関国公立クラス7〜9人

ここには高校入試校18:併設型一貫校8:完全一貫校12の38校が並び、64,65の高校も入ってきます。中学でクラス5〜6位くらいから、高校入学後もクラス1桁順位だと難関国公立が見える、という感じですね。

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難関国公立クラス5,6人

ここは30校で高校入試校14:併設型一貫校8:完全一貫校8。高校入試校の幅は63〜69です。

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難関国公立クラス3,4人

ここはクラスの上1割だと届くかな〜というゾーンで、高校入試校では60の都立昭和も入ってきました。中学でクラス1桁、高校ではクラス上位1割という感じですね。

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難関国公立クラス2人

だいぶ少なくなってきましたが、クラスでトップを争うくらいの位置にいれば難関国公立も狙えるのがこのゾーン。マーチ附属から国公立を狙うとだいたいこのあたりに落ち着きます。

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難関国公立クラス1人

中学ではクラス1桁以内をキープし、高校入学後はクラスのトップだと難関国公立も狙える、というゾーン。

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ここからは私大の進学者も公開している学校の実績を並べていきます。

国公立早慶クラス20人以上

まずは国公立早慶以上。公立の高校入試校は国公立志向が高いのに対し、完全一貫の女子校では早慶やマーチ、三女子大などを選ぶケースがかなり増えます。

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国公立早慶クラス10人以上

クラス10位以内であれば国公立早慶に届くグループ。

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国公立早慶クラス4〜8人

こちらはクラスの上1〜2割というところですね。中大横浜学習院女子から外に出る場合も、上2割くらいはより難関大学を目指すというイメージです。

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国公立早慶クラス3人以下

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最後は難関私大群、上智・東京理科・国際基督教・青山学院・学習院・中央・法政・明治・立教への進学者を含めたパターンです。

 

上理ICU+GMARCH30人以上

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上理ICU+GMARCH20人以上

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上理ICU+GMARCH10人以上

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上理ICU+GMARCH10人未満

このあたりになると早慶の合格者数はぐっと減り、日東駒専あたりがメインの進学先になってきますが、クラス1桁にいればマーチ以上にも届くというイメージですね。

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中学受験組なら首都圏模試50台、高校受験組なら中学のクラス順位1桁くらいからでも、入ったところでしっかり上位をキープできれば国公立やマーチ以上の大学にも届きます。結局大事なのは入ってからなので、受験をゴールだと思い込まないようにしましょう。

1クラスあたりの東京一工国公医合格率と私大合格者の進学率 2024

今年も併願校検討用データから、東京一工国公医(東京大学京都大学一橋大学東京工業大学国公立大学医学部)に合格する子が1クラス40人として何人いるかの記事を作成しました。私大進学者数を公開している学校の進学率も掲載しています。

これらの数字は今の小学6年生からは7年、3年生からだと10年も前の先輩の結果なので、「今の空気感の参考」としてご覧ください。

今回の集計対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県の304校に茨城県の2校を加えた306校です。調査対象326校のうち2023年の入試結果が公開されていない20校は除外、別学で男女在籍の桐光学園國學院久我山は共学枠でカウントしています。

 

 

東京一工国公医にクラスから何人入るか

こちらは全体の一覧で、中央には1クラスあたりの人数、左側に中学受験校、右側に高校受験校を並べています。青系は男子校、黒は共学校、赤系は女子校で、併設型一貫校は両側に記載して中入生と高入生の比率を入れてあります。

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以下は合格率と偏差値などを表にしたものです。上下動があることがわかりやすいように、今回は3年間の推移を記載してあります。

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今年のクラス半数以上のグループは僅か3校になりました。入学時は大半が東大レベルをイメージするような空気感のある学校です。

 

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クラス10人以上は、高校入試の3校も含む18校です。半数に僅かに及ばなかった桜蔭のほか、麻布、栄光、駒場東邦はこちらのグループに入っています。

 

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続くクラス5人以上には33校が入りました。公立一貫校からは桜修館、富士、南多摩、私立からは本郷、東邦大東邦、鴎友、城北、高入校からは都立青山が2人以上のグループから上がってきています。このあたりは早慶でもOKという空気も濃くなりつつ、東大や国立医学部に進む友人もできるような環境ですね。

 

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クラス2〜4人には前年と同じ44校が入りました。このグループの学校では、クラストップを争うくらいの意識があれば東大や国医が視野に入ってくるイメージですね。

 

入口の選択肢

こちらは学校数と人数を入学種別で分類したもので、昨年比では完全一貫校が54→55校、併設型一貫校は20→22校、高校入試校は19→21校とそれぞれ増加しています。

一都三県全体からは約6人に1人が中学受験組、残る5人は高校受験組なので、東京一工国公医に合格する同級生がクラスに2人以上いる環境に入れるのは、中学受験からは約3割、併設型一貫校の高校募集を含む高校受験からは約3%です。

 

私大を含めた進学率

こちらでは進学者数も公開している学校の国公立の合格数と有名私大の進学者数をグラフにしています。国公立は合格者数ですが、進学率は100%ではないため、実進学数とは多少差異があります。

それぞれの大学群に含むのは以下の通りです。「◯大の◯学部より、◯大の◯学部の方が難しい」みたいなこともありますが、おおまかな進学ゾーンのイメージ用として眺めてください。

○東京一工国公医

東京・京都・一橋・東京工業・国公立医学部

○旧帝+首都圏+有力国公立

北海道・東北・名古屋・大阪・九州・神戸

筑波・千葉・お茶の水・電気通信・医科歯科・東京外語・東京海洋・東京学芸・東京藝術・東京農工・横浜国立・東京都立・横浜市

国際教養・名古屋市立・大阪公立・神戸外語・京都工繊・名古屋工・広島・奈良女子・埼玉

早慶私医

早稲田・慶應・私立医学部

○上理ICU+GMARCH

上智・東京理科・国際基督教・青山学院・学習院・中央・法政・明治・立教

 

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男子6校のうち高入校唯一の県立浦和は、東京一工医では5番目ですが、有力国公立まで入れると3番手。私立と公立の違いや地域性などによって、各校の特徴が出ます。

 

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女子校では頌栄の早慶や、浦和一女の国公立の多さが目立ちます。また、中学偏差値では四谷日能研で40前後の聖園も、4分の1はGMARCH以上に届いていますね。

 

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共学校でも公立高入校の国公立比率はかなり高め。また、SAPIX34〜38、四谷日能研では44〜48の順天からも、4割はGMARCH以上に進んでいます。

 

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こちらは早慶マーチの附属校。早稲田からは東京一工、学習院女子や中大横浜からは早慶以上を目指す層が一定数いることがわかります。

 

続いて、括りを変えて全体を並べてみます。まずは有力国公立以上から。

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公立の高校受験校は、東京一工には届かなくてもきっちり首都圏の国公立などに進む子が多いことがわかります。次は東京一工早慶医で並べたもの。

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この並びにすると女子校最上位に頌栄が出てきて、他の多くの女子校も上がってきます。特に都内の私立一貫校では、旧帝一工と早慶が同じくらいの位置付けになることも多く、逆に三県の公立では国公立の人気が高めです。

国公立早慶以上という括りだとこんな感じ。

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普連土や晃華学園からはクラストップ10くらいで届いていますね。

最後は全ての合計です。

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同じ「GMARCH以上に◯割」という表現でも、内訳は学校によって大きく異なりますね。

 

集計の誤差について

各校の公表形式に違いがあるため、以下のように一貫していない点があります。

・豊島岡・鴎友・白百合・吉祥・田園調布雙葉・湘南白百合・神奈川大附・県立平塚中等・都立新宿・都立三田・森村学園の進学者数は現役のみ
・武蔵、法政第二、中村は進学者数のみ
・青学英和、大妻中野、日大櫻丘は現役合格数
・大妻多摩は合格数(≠合格者数)
・豊島岡、頌栄、吉祥の私医進学数は推定最少値
・合計100%を超える場合は占有比で表示

各塾の偏差値換算早見表と偏差値の捉えかた

塾ごとの偏差値を比較すると、漠然と四谷大塚日能研は同じくらい、SAPIXは10低く、首都圏模試は10高くなるといったイメージをお持ちの方もいると思いますが、この差は偏差値帯や男女によって多少異なります。

こちらでは各塾の偏差値を5ポイント幅で区切り、対応する入試回の平均偏差値が他塾ではどのくらいになるかを一覧にしています。

 

偏差値換算の算出方法とズレについて

例えば男子のSAPIX50は、50±2ポイントの範囲(48〜52)の入試を平均したもので、四谷大塚では+7の57、日能研では+8の58、首都圏模試では+18の68になります。

これがSAPIX45では四谷+9、日能研+10、首都圏模試+21と少し差が広がり、逆にSAPIX55だと四谷+6、日能研+7、首都圏模試+16と縮まっています。

また、基準にする塾によって比較対象の入試回が異なるため、方向によって数値が多少上下します。例えば男子用で四谷大塚から見る日能研は7区分中6区分で一致しますが、日能研から見ると全ての区分で1〜2ポイントずれています。

これには小数点以下四捨五入の影響もあり、49.50と50.49は差が0.99あってもどちらも50になりますが、50.49と50.50は0.01差でも50と51に分かれることになります。

例えば50(48〜52)の帯では、四谷大塚の対象は40入試回、日能研の対象は35入試回になり、このうち共通しているのは28入試回になります。この帯ではY→Nは0.31差で同じ51となり、N→Yでは0.63差で50と51に分かれていますね。

このようにざっくりとしたものなので、大体の目安としてご利用ください。


偏差値換算早見表 男子用

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偏差値換算早見表 女子用

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偏差値は過信せず参考に

同じくらいの層の学校の入試を比較してみると、結構な割合で塾によって上下も変わってくることがあります。ここでは、女子で2回入試の学習院女子、香蘭女学校、頌栄女子、東洋英和の4校で比べてみます。色帯は1回目と2回目の80%偏差値幅になっています。

 

SAPIXで見ると学習院Aは英和Bを上回り、学習院>頌栄>英和という並びですが、四谷大塚では英和>頌栄>学習院の順ですね。そして日能研では英和ABの間に学習院と頌栄が入り、首都圏模試だと頌栄>英和>学習院という並びになります。

また、偏差値を比較すると、学習院Aは四谷日能研ともにSAPIX+8ですが、東洋英和Bでは四谷が+14、日能研は+11になります。

例えばSAPIX47の子にとって、英和Aは80%判定が出るものの学習院Aは50%も出ません。逆に四谷大塚59の子からすれば、学習院Aは80%でも英和Aは50%前後ですから、まったく逆の印象になりますね。

こんな感じで、偏差値は2〜3ポイントで絶望するようなものではありませんし、80%でも過信は禁物です。帯で見て目標設定や併願校選びに活用したあとは、入試で取るべき問題を正解できるように仕上げていくことが大切ですね。

 

80%・50%・20%偏差値の出しかた

結果偏差値は、前年度の受験生の持ち偏差値と入試結果を比べ、受験生10人あたり8人以上が合格するラインを80%、5人以上で50%、2人以上で20%という判定にしています。

持ち偏差値として参照するのは6年の全体テスト、SAPIXならSO、四谷なら合不合と考えて良いですが、外部生が多く受験するこれらの模試と、内部生の比率が上がる組分けなどの全体テストでも偏差値は多少変わりますし、秋以降の偏差値に重みをつけていることもあります。

また、ラインは「その偏差値以上」という考え方で、例えば偏差値60で80%となっている場合は「60以上の受験生累計100人で合格者80人」みたいな感じなので、必ずしも60の受験生が10人中8人合格しているとは限りません。

予想偏差値は前年の結果偏差値をベースに、その模試を受験した志願者数と成績分布を加えて算出します。成績が良い生徒の志望数が多ければプラス、減ればマイナスになるわけですね。ですから、特に新設校の予想偏差値などは、その入試を候補に入れている受験生が多い模試ほど、次年度の結果偏差値と近くなります。

ただ、特に春の段階の模試での志願=出願・受験とはならないことも多いので、ある程度の出願と偏差値の予想には、11〜12月の偏差値表を見たほうが雰囲気は掴みやすくなります。

こんな感じで、前年の受験結果と今年の志望者動向の参考にはなりますが、例えば資格試験で「○割取れば合格」みたいな基準になるものとは異なり、割と不安定なものですね。

 

各回の偏差値の算出と分布

個人の偏差値は、ほぼそのテストを受けた中での順位です。テストごとの得点分布にもばらつきがあるので、「○位なら・上位○%なら偏差値○○」と決まるわけではありませんが、基本的な分布は以下のようになります。

全体を3つに分けると55と45が区切りになり、40〜60の間には7割近くが収まります。当然、出題ごとの得意不得意や調子によっても順位は変わり、その一回ごとの模試結果と上述の「以前の受験生の結果」や「他の志望者の偏差値」と比べていくわけなので、絶対的な指標にはなりません。

ですから、各回の偏差値は「今回の立ち位置」の確認程度に捉え、志望校の80%を超えるあたりの偏差値になる順位や得点を目標にする程度で、あまり過信したり、一喜一憂し過ぎないことも大事ですね。