「新世紀エヴァンゲリオン」(以下エヴァ)と「涼宮ハルヒの憂鬱」(同ハルヒ)。前者は約10年前に人気を集めたオリジナルアニメ。後者は2003年から刊行が始まった若者向けSF小説シリーズで、昨年テレビアニメ化され、やはり広く人気を得た。多くのアニメファンがネット上などで指摘しているように、両者にはさまざまな類似点があるのだが、似ているだけに違いが気になる。そこで両者の「違い」に着目し、いまの若者理解のヒントを探ってみたい。 10年間の変化・3つのポイント 両作品の概略を、やや乱暴に要約すると、こうなる。 エヴァの舞台は近未来の日本。主人公らは中学生。ふだんは学校に通うかたわら、人間に似た巨大な兵器に搭乗し、次々と攻めてくる人類の「敵」と戦う。細部の謎や登場人物の内面描写の話題もネットなどで話題になり、人気に拍車をかけた。 ハルヒの舞台は現代の日本らしき街。主人公らは高校生。ハルヒという