近年のWebアプリケーションは、単なる情報表示にとどまらず、複雑なデータ処理や高度な計算処理を必要とするケースが増えています。TypeScriptは型安全性と優れた開発体験でフロントエンド開発の標準となりつつありますが、パフォーマンスが重要な処理においては限界に直面することもあります。 一方、WebAssembly(以下Wasm)は、ブラウザ上で動作する低レベルなバイナリフォーマットとして、ネイティブに近いパフォーマンスを実現する技術です。C++やRustなどの言語からコンパイルされ、JavaScriptとシームレスに連携できるため、Web開発の可能性を大きく広げています。 しかし、「いつ、どないな場合にWasmを導入すべきなんか」「導入コストに見合う性能向上が得られるんか」といった疑問に対する実践的な回答は、まだ共有が不十分です。 この記事では、大規模データ処理に焦点を当て、TypeSc
