ウォール街では過去20年にわたって、相場が下げれば押し目の好機というムードがほぼ常態化していた。しかしこの常態は数週間前から、トランプ米大統領によって打ち消された。 代わりに台頭してきたのは、利益を確定して、トランプ氏の貿易戦争がもたらす混沌(こんとん)が経済見通しを一変させるのをじっと見守ろうという声だ。新しい時代に入った株式市場で誰が勝ち組になるのか、不確実性が高まっている。 「今押し目で買いを入れるのは、誰が演奏するのか分からないコンサートのチケットを割引価格で買うようなものだ」と話すのは、ラウンドヒル・インベストメンツのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)だ。「最近まで押し目買いは信頼できる戦略だったが、今では関税と貿易政策による不確実性の高まりで、投資家は大もうけするか大損を被るかのどちらかになりかねない」と述べた。 このセンチメントからうかがわれるのは、ウォール街でかつて主
