近年ではサイバー攻撃の高度化や複雑化により、従来の防御中心の対策だけでは組織を守りきれなくなっています。そのため、攻撃を受けた後の対応力である「レジリエンス」の強化がこれまで以上に求められています。こうした背景を踏まえ、金融庁はレジリエンスの強化を重要な課題と位置付け、金融機関に対して実戦形式の演習であるTLPT(Threat-Led Penetration Test:脅威ベースのペネトレーションテスト)の活用を推奨しています。 TLPTは、実際の攻撃者の視点に立ったシナリオを用いて検知・対応体制の有効性を検証し、組織横断的な対応力を高めることを目的とした演習です。特にインシデント発生時の初動対応や連携体制の整備は、経営層の意思決定やリスク管理にも直結する重要な要素です。TLPTは単なる技術的な演習ではなく、経営戦略の一環として取り組むべき施策であり、信頼性の確保とレジリエンス向上のために
