先ごろ亡くなった邱永漢氏はよくジャーナリズムはマンネリズムと言っていた。ジャーナリストの端くれとして、そうならないように戒めてきてはいるが、ついついマンネリに陥ってしまいがちだ。邱氏の死亡記事には、いずれも「金儲(もう)けの神様」という枕が付けられている。それを見て「ほらご覧、君たちは相変わらずだね」と高笑いする声が聞こえてくるようだ。 邱氏は日本で作家デビューし直木賞を受賞しているが、1960年前後の株式ブームで大儲けし、その指南役を買って出て株式、不動産など蓄財に関する著作を数多く世に出し、いつの間にか「金儲けの神様」と呼ばれるようになった。膨大な著作のほかにさまざまな事業を手がける実業家でもあったが、そういうマルチな事業家としての評価は意外に少ない。いったん貼られたレッテルはいつまでも剥がれない。 その神様が座右の銘としていた言葉がある。「貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」。
私にスパムを飛ばしてくる匿名アカウントの共通点は「反原発・反消費税・反TPP」だ。この3つには共通点がある。長期のコストを無視して短期の利益を最大化するということだ。アゴラにも書いたことだが、これはこれで一つの考え方である。 いま日本で起こっている政治的対立も、「保守vsリベラル」とか「小さな政府vs大きな政府」というより、長期vs短期の対立と考えたほうがわかりやすい。これは経済学でいうと、時間選好率の違いである。現在(1)と将来(2)の2期モデルで考え、現在の消費をC1、将来の消費をC2、時間選好率をRとすると、消費の割引現在価値Vは新古典派理論では V=C1+C2/(1+R)・・・(1) と表わされる。金利をIとすると、視野が長期的で将来の消費の価値を金利で割り引く場合にはR=Iだから、きょうの消費とあすの消費の価値は同じで、課税のタイミングの変化は消費に影響を及ぼさない。これがリカー
毎日.jpに「告発詐欺:急増 「児童買春」と文書送付、現金を要求」という記事が載っている。 要するに、「児童ポルノを購入しただろう」と因縁をつけ、警察に言われたくなかったら金をよこせという、かなり古典的な恐喝行為だ。 ネタ元は国民生活センターということで、センターのウェブを見てみると、該当の話は5月2日付けで出てくる。 「アダルトDVDや児童ポルノ等の購入者を告発する」という手紙にご注意! 報道発表資料pdf で、この報道発表資料に出てくる条文というのが、以下のようなものだ。 これと、実際の条文と比較してみよう。 児童ポルノ法第七条 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。 2
生物には「情動反応」というのがあるんだが、これは食欲や性欲といった本能に関わるプリミティブな「感情」のことで、もちろん人間にも備わっています。恐怖の感情なんかも情動反応の一種です。我々はヘビのオモチャにドキッとしたり、極端なときには道に落ちている黒いヒモを怖がったりする。 恐怖が先天的にプログラムされたものか、それとも体験や学習によって後天的に獲得するものか、長い間、議論されてきました。我々はヘビを本能で怖がるのか、それともアポステリオリにヘビが怖いことを学習するのか、というわけです。 こうした研究はいろいろ行われてきたんだが、有名なのはジョン・ワトソン(John B. Watson)って米国の心理学者がやった条件付け学習の実験です。生後11カ月の男の赤ちゃんにネズミを見せ、彼が興味を持って触ろうとしたときを見計らって繰り返し不快で大きな金属音を聞かせて驚かすというもの。 すると、彼はネズ
「あなたたちは誰のために仕事をしているのか?」。政府の役人(正面席)を厳しく糾弾する男性は、福島県浪江町から埼玉県への避難者だ。=1日、参院会館。写真:田中撮影= 病院で受診したあなたの子供が深刻な病気の予兆を示しているにも拘わらず、診察結果をろくに知らされず、再検査も受けさせてもらえない、としたらどうだろう。子を持つ親が胸を掻きむしるような事態が福島県で起きている。問題の中心にいるのは、「Mr.100mSv」こと山下俊一・福島医大副学長だ。 福島県県民健康管理調査で、18歳以下の子供38,114人を対象に行われた甲状腺検査。うち386人の子供に結節(しこり)が認められたが、5ミリを超えない場合は、次の検査を受けることができない。次の検査は2年後となる。20ミリ以下の嚢胞(のうほう)も同様の扱いを受ける。 山下副学長から甲状腺学会の医師あてに「おふれ」(写真)が回っているためだ。「保護者か
大阪市は2日、大阪府・市が出資する「大阪人権博物館(リバティおおさか)」(浪速区)について、2013年度で補助金を打ち切ることを決めた。 府も同年度で補助金を廃止する方針で、運営費の9割を府市の補助金でまかなっている同博物館の存続は厳しくなった。 この日、12年度本格予算案編成に向けた市長と担当部局の折衝で決まった。12年度は前年度比で2割減の計1億600万円とする。 橋下徹市長は折衝後、報道陣に、「(今年度の補助金は)事業収束に向け、整理してもらうための費用。これが最後だ」と強調した。 リバティおおさかを巡っては、「大阪国際平和センター(ピースおおさか)」(中央区)と統合して「近現代史博物館」として刷新する構想が浮上している。
災害時の首都機能バックアップに関する検討委員会が30日、上京区で開かれ、京都が受け持つことができる機能について、皇室の居住や文化庁の移転などとする中間報告がほぼまとまった。近く、国に提案する。 検討会は府や京都市、学識経験者らで構成。機能を受け入れるエリアとしては、京都市中心部と桂イノベーションパーク、らくなん進都、学研都市を対象としている。 検討会では、京都は首都圏と同時に被災する可能性が低く、地理的にもアクセスしやすい利便性があることを確認。その上で、京都御所や京都迎賓館があることから、皇室の人々の居住や儀礼の実施を受け入れやすいと判断した。また、文化庁や観光庁の移転、国会や首相官邸の代替施設となる可能性があるため国立京都国際会館の機能を強化することも国に提案する。
BBCが伝える所では、米、パネッタ国防長官“海軍艦船6割太平洋へとの事である。 The US is planning to move the majority of its warships to the Asia-Pacific region by 2020, Defence Secretary Leon Panetta has revealed. 米、パネッタ国防長官は、2020年までに海軍の艦船をアジア太平洋地域に集中させる方針を明らかにした。 21世紀の世界の成長エンジンは、言うまでもなく西はインド、南はオーストラリア、ニュージーランドに達するアジア太平洋地域である。アメリカはこの成長する地域に対し、世界最強の軍事力に依り恒久的な平和をもたらす事で貢献し、成長の分け前に与かる積りなのであろう。アメリカの成長戦略の中核は軍事に依るアジア太平洋地域への関与かも知れない。 問題は、日本を
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が試練に直面している。世界トップの低燃費という触れ込みで話題をさらったが、2度にわたる初号機の納入延期が響き、約1年にわたって新規受注を獲得できていないのだ。海外のライバル陣営は、ここぞとばかりに攻勢を強めており、離陸を前に“日の丸ジェット”の視界は曇る一方だ。 逃し続けた成約機会 「納入はいつになるのか」 MRJの開発を担当する三菱重工業グループの三菱航空機(名古屋市港区)には、今年に入り顧客企業から開発状況に対する問い合わせが相次いだ。製造を担う三菱重工の大江工場(名古屋市)の部品検査工程で規定違反が発覚、確認作業や製造工程の見直しで機体開発が遅れるとの懸念が浮上したためだ。 だが、三菱航空機は顧客の問い合わせに具体的な回答を示すことができなかった。開発の遅れにつながりそうな問題点や懸念材料の洗い出しに時間を要したためだっ
東京電力の新規採用再開は目くじらを立てることだろうか。 家庭用料金値上げや新規採用などをめぐる東電批判が再燃している。福島原発事故の巨額賠償も抱え、東電に徹底合理化と刷新が必要なことは言うまでもない。 しかし、実質国有化の下で進められる東電再生にあたって最も肝要なことは、企業の足腰を鍛え直し、国家の心臓部である首都の電力供給を支える「強い基幹産業」として復活させることだ。それには、原発の安全も含む技術の継承や優れた人材の育成も不可欠となる。 筆頭株主の政府は「東電バッシング」で済む話でないことを肝に銘じ、新経営陣と血の出るような改革に努めてもらいたい。 批判の対象は、東電が賠償資金捻出のために中止している新卒社員採用について、平成26年度に3年ぶりに再開し、500人の採用を決めたことだ。7月実施を目指して申請した家庭用料金値上げとも絡めて「人件費などコスト削減が不十分」と非難されている。
コストの高さという、宇宙開発での最大の障壁が克服される見通しが立った。米国ベンチャー企業のスペースX社による宇宙貨物船「ドラゴン」の成功による新局面の展開だ。地球周回軌道への物資輸送を民間が担う時代が到来したことに注目したい。 ドラゴンは5月22日、国際宇宙ステーションを目指し、同社の2段式ロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。 ステーションに世界初の民間宇宙船として接続し、食料などを届けた後、使用済みの不用物を搭載して31日、地球に帰還した。 日本の宇宙貨物船「こうのとり(HTV)」もステーションへの物資輸送をしているが、帰りは大気圏で燃え尽きる。地球への帰還能力ではドラゴンが勝る。この能力を生かし、ドラゴンを7人乗りの有人宇宙船に発展させる青写真も描かれているほどだ。 将来構想が明確である。さらに注目すべきは、開発のスピードと低コスト化だ。2002年設立のスペースX社が米航空宇宙局
昨年の大震災の後、何度も名前が出たが、大正12年の関東大震災で復興の先頭に立ったのは後藤新平だった。自ら提案した帝都復興院の総裁に就き、復興案を練り上げる。東京の真ん中に100メートル道路を走らせるなど、近代的都市に一変させるものだった。 ▼国家予算の約3倍も金がかかる計画だったといい、議会の反発で大幅縮小された。とはいえ後藤が当時の東京の震災への弱さに気付いた結果だったのも事実だろう。「災い転じて」と言うには災いが大きすぎたが、もう少し後藤の考えが通っていたらという気もする。 ▼今回の大震災でも日本人は多くの問題に行き当たった。そのひとつは現憲法が災害や大規模テロなど非常事態を想定していない欠陥だ。政府は緊急事態宣言もできず、対策は後手後手に回った。今、憲法改正の論議でこのことが取り上げられているのは当然だろう。 ▼ところが民主党には、このことがお気に召さない方が多いらしい。先月末の参院
政府が今秋に策定する「生活支援戦略」の柱の一つである「生活保護制度の見直し」の原案が2日、判明した。生活保護受給者の自立を促進する一方、増加する不正受給の防止に向け、規定の甘さが指摘される生活保護法の改正を含めた抜本改革を打ち出した。また、年金生活者や低所得者に比べて優遇されているとの指摘がある生活保護の認定基準や保護費の見直しも盛り込んだ。 原案は厚生労働省が国家戦略会議に提出したもので、生活保護制度の見直しについて「(受給者の)自立の助長をより一層図るとともに、国・地方自治体の調査権限の強化などの不正受給対策を徹底する観点から、生活保護法改正も含めて検討する」とした。 当面の対応としてはまず「生活保護給付適正化」を掲げ、医療扶助を適正化するため、電子レセプト(診療報酬明細書)による点検・指導や複数医療機関によるセカンド・オピニオン制度推進などを打ち出した。ただ、与野党の専門家議員が求め
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