2025年4月5日のブックマーク (3件)

  • マーク・コヤマ「歴史・政治・経済学における争点としての封建制」(2025年2月24日)

    「暴君たる封建制という概念は完全に廃位を宣言されるべきであり、中世史家への影響力も最終的には終わらせねばならない」(エリザベス・ブラウン 1974年) 歴史政治経済学(Historical Political Economy:HPE)の目標は、社会科学者と歴史学者の間に繋がりを築くことだ。しかし、この称賛に値する目標は、実際には非常な困難さを伴っている。学際的〔学問分野をまたいだ〕研究の困難さは増していっており、学問の専門家が進む中、学際性は価値を喪失していっている。また、一般的な経済学や軽量社会科学の新しい技術を習得するために必要な集中的なメソッドトレーニングは、他分野の読書や訓練を妨げてしまう。 お気に入りの歴史政治経済学の論文の一つに、リサ・ブレイデスとエリック・チェイニーによる2013年にAmerican Political Science Reviewに掲載された『封建制

    マーク・コヤマ「歴史・政治・経済学における争点としての封建制」(2025年2月24日)
  • サミュエル・ワトリング「土地課税(land value tax)の失敗」(2025年3月13日)

    19世紀後半、アメリカ経済学者ヘンリー・ジョージの思想は英語圏で広く支持を集めていた。彼の代表作『進歩と貧困』は、経済における土地の重要性を分析し、「地価(land value)」に対する最大限の課税を行うことを提唱した。この書籍は数百万部を売り上げ、その時代におけるベストセラーの一つとなった。 ジョージの考えが広まる一方で、大西洋を挟んだイギリスでは、富裕な地主層が政治を支配し、主に保守党を支持していた。これに対抗する形で、自由党やアイルランドの民族主義者は、借地人の抗議運動を政治的な支持基盤として活用し、土地課税への支持を獲得していった。 ジョージの主張は、エドワード朝時代の左派にとっては最大の好機であった。というのも、新規のインフラ整備により人々が都市中心部を離れて移動するようになり、地方自治体は法的義務の増大による予算の負担増加による危機に直面していた。従来の固定資産税(prop

    サミュエル・ワトリング「土地課税(land value tax)の失敗」(2025年3月13日)
  • ジョセフ・ヒース「大学のビジネスモデルは持続可能か?:新聞の衰退からの教訓」(2014年11月19日)

    大学は新聞の衰退から何か教訓を学べるだろうか? 最初に答えを言ってしまうと、学ぶべき重要な教訓があると私は考えている。それは、研究大学の基的なビジネスモデルが、伝統的な新聞のビジネスモデルと似通っているからだ。どちらのビジネスモデルも、公共財と私的財の2つの財を集めて、「抱き合わせ(bundle)」にして売ることで成り立っている。このビジネスモデルは、消費者が一方〔公共財の方〕を買わずに他方〔私的財の方〕を得る方法を見つけたとき、終わりを迎える。インターネットは新聞の各「欄」を分解することで、伝統的な新聞を殺した。大学にとって問題は、「抱き合わせ」をこれまで通り維持できるのか、それとも2つの財は繋がりを解かれる運命にあるのか、である。 これがどういうことかを説明してみたい。ある種の「財」は便益が極度に分散しており、消費者に料金を支払わせるのが難しい。天気予報が良い例だ。正確な天気予報を行

    ジョセフ・ヒース「大学のビジネスモデルは持続可能か?:新聞の衰退からの教訓」(2014年11月19日)