「こんな所では成長できない」と上司に心を閉ざし、指示待ち族になってしまう。理想に燃えて社会人デビューしたが、会社の実情とのギャップに直面して立ちすくむ。仕事の細分化、仕組み化が進む職場で、仕事へのモチベーションが高まらない――。せっかく入った会社にうまく適応できず、早々に退職したり、精神を病んだりする新入・若手社員が目立つようになってきている。 『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか』(PHPビジネス新書)などの著書がある、リクルートワークス研究所主幹研究員の豊田義博氏は、多数の若手社員や、彼らと接点のある上司や先輩、人事担当者にインタビュー。それらを基に、彼らが育ってきた社会環境や教育、そして職場のどんな変化が、新入・若手社員を冒頭挙げたような適応障害に陥らせているのかを描き出している。 想像と現実の間の大きなギャップ まずは「理想と現実のギャップ」から見てみよう。 「今の新入・若手社員
