美容師国家試験解説94
第39回美容師国家試験より引用
高分子化合物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① デンプンは、基本単位の果糖が互いに縮重合した構造である。
→×(正解)
デンプンは、果糖ではなくブドウ糖を基本単位(モノマー)として縮重合した植物性の天然高分子化合物です。
② タンパク質は、多数のアミノ酸が結合したポリペプチドが基本構造である。
→⚪︎ 一方のアミノ酸のもつカルボキシ基(ーCOOH)と他方のアミノ酸のもつアミノ基(ーNH2)が縮合によってペプチド結合と呼ばれる構造になってつなぎ合わされます。これが連鎖的につながれて高分子化合物となったものがタンパク質です。平たくいえばタンパク質は、アミノ酸をモノマーとするポリマーとういことです。
③ ポリビニルアルコール(PVA)はパック基剤として用いられる。
→⚪︎ 合成高分子化合物の代表例の一つともいえるこのポリビニルアルコールは、主にピールオフパックの皮膜形成剤として用いられますので、この文は正文となりますが、ポリビニルアルコールスタイリング剤の皮膜形成剤にも用いられていることも押さえておきましょう。
④ ニトロセルロースは、ネイルエナメルの皮膜形成剤として用いられる。
→⚪︎ ニトロセルロースは、天然高分子化合物であるセルロースがもつヒドロキシ基(ーOH)を人為的にニトロ化して得られることから、半合成高分子化合物に分類され、カラーエナメルの皮膜形成剤に用いられています。そのため、爪の表面に生じた皮膜は水では落とせなくなり、有機溶媒である除光液で落とすことになります。