インフラジスティックス・ジャパン株式会社Blog

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【2025年】生成AI×ローコードでWebアプリ開発!BtoB業務システムをコード自動生成するApp Builder活用術

こんにちは!ソリューションコンサルタントの田上です。

2025年、Webアプリケーション開発の現場は大きな変革期を迎えています。特にBtoB向けの業務システム開発では、従来のスクラッチ開発の効率性と柔軟性を活かしつつ、生成AIとローコードの力を最大限に活用することで、かつてないスピードと品質でモダンなWebアプリケーションを構築できるようになりました。

本記事では、エンジニアのための「App Builder AI(ビュー生成、コード生成)」を中心に、生成AIとローコードが融合した最新のWebアプリ開発手法、特にBtoB業務システム開発への応用について、技術的な観点から詳しく解説します。

1. App Builderとは何か?BtoB業務システム開発の革命

1.1 App Builderの概要

App Builder は、Infragistics社が提供するクラウドベースのローコード開発プラットフォームです。最大の特徴は、WYSIWYG(What You See Is What You Get)型のインターフェイスと、ドラッグ&ドロップによるピクセル単位のUI設計、そして60種類以上の高機能なInfragistics UIコンポーネントを備えている点です。これにより、エンジニアはデザイン設計からコード生成までを一気通貫で行うことができます。

ドラッグ&ドロップによるWYSIWYGデザイナー

1.2 BtoB業務システムに最適な理由

App Builderは、エンタープライズ向けの大規模・複雑な業務システム開発に最適化されています。単なるノンコーダー向けツールではなく、BtoBプロジェクト現場の開発経験を持つエンジニアにこそ真価を発揮します。理由となるメリットは以下の通りです。

理由とメリット

  • 複雑で高機能な業務要件に対応するUIコンポーネント群
  • API連携やデータバインディングなどの高度な連携機能
  • デザイン設計とソースコードの乖離をなくすリアルタイムプレビューと即時コード生成
  • Angular、Blazor(Server/WebAssembly)、React、WebComponents フレームワークへの対応
  • AI生成によるビュー生成、データソース生成、画像生成への対応
App Builder で構築したWebアプリのデモンストレーション

2. エンジニア向けローコード開発の本質

2.1 ローコードの強みと限界

ローコード開発というと間接部門などの「非エンジニア向け」というイメージを持たれがちですが、App Builderはエンジニアの生産性を最大化するためのプラットフォームです。UI設計やCRUD処理、API連携といった繰り返し作業を自動化し、エンジニアは本質的なビジネスロジックや複雑な要件定義に集中することができます。

2.2 スクラッチ開発との融合

App Builderが生成するコードは、Angular、Blazor、React、WebComponentsといった主要フレームワークの標準仕様に準拠した「プロダクションレディなコード」です。本番環境にデプロイすることで、すぐに動作させることができます。

他のノーコード製品と異なる点として、App Builder でコード自動生成後はGitHubやVisual Studio Codeなどで自由にカスタマイズ可能になっているため、コードがブラックボックスにならず、BtoB業務システムに求められる機能要件を細かくカスタマイズしていくことが可能です。

コード自動生成の仕組み

App Builderは、設計したUIや連携したAPI、設定したビジネスロジックを元に、以下の主要Webフレームワーク向けのプロダクションレディなソースコードをワンクリックで生成します。

  • Blazor Server
  • Blazor WebAssembly
  • Angular
  • React
  • WebComponents

コード自動生成に対応したフレームワーク(React, Blazor, Angular, WebComponents)

生成されるコードの特徴

  • フレームワーク標準に準拠した構造
  • Infragistics UIコンポーネントの利用例や設定がそのまま反映
  • スタイリングやテーマも自動反映
  • GitHubやVSCodeへのエクスポート、ローカル実行も容易
  • 生成後のカスタマイズ・拡張も可能

エンジニアが活用するメリット

  • デザイン設計と実装のギャップを最小化
  • 即時プレビュー、即時コード自動生成
  • 繰り返しの手作業やコピペを排除
  • 複雑な業務ロジックやカスタム実装に集中できる
  • CI/CDやDevOpsパイプラインとも連携しやすい
コード生成された Reactプロジェクト
コード生成された Blazor プロジェクト
コード生成された Angular プロジェクト

3. App Builder AI:生成AIによるプロンプトベースのUI自動生成

3.1 生成AIによるビュー生成の仕組み

2025年版App Builderの最大の進化点は、生成AIによる「プロンプトベースUI生成」機能です。エンジニアは自然言語や構造化されたプロンプトを入力するだけで、ログイン画面やダッシュボード、マスターデータ管理など、業務アプリに必要な複雑な画面を自動生成できます。

生成フロー

  1. GenAIダイアログにテキストプロンプトを入力
  2. AIが設計した画面のプレビューを即時表示
  3. 必要に応じて「追加」「置換」「新規ビュー作成」などを選択し、画面構成を柔軟に調整
  4. 生成されたビューは手動編集や再生成も可能

例:ログイン画面の自動生成

プロンプト例:「Create a detailed login screen」

→ ユーザー名・パスワード入力、バリデーション、チェックボックス、リンク付きのログイン画面が自動生成され、AngularやBlazor用のコードも同時に得られます。

生成AI:詳細なログイン画面を作成

例:業務アプリの予約画面

「自動車整備工場の予約管理画面」など複数セクションを含む画面も、プロンプト一つで生成可能。複雑なレイアウトやコンポーネント配置もAIが最適化します。

生成AI:自動車整備工場の予約管理画面

3.2 画像・データソース生成などAIの拡張機能

  • 画像生成:プロンプトから業務に合ったイメージ画像を自動生成し、画面に配置
  • ダミーデータ生成:テスト用データやサンプルAPIレスポンスをAIが作成
  • 反復的な画面改善:AI生成と手動編集を繰り返し、理想のUIを追求

4. API連携と業務システムのデータ駆動設計

4.1 APIエンドポイントとの連携

App Builderは、OpenAPI(Swagger)仕様に対応しており、RESTful APIのエンドポイントをUIコンポーネントに直接バインドできます。これにより、バックエンドの業務ロジックやデータベースとリアルタイムに連携し、CRUD操作やデータ表示を自動化できます。

4.2 連携の流れ

  1. OpenAPI(Swagger)エンドポイントのURL、もしくは定義ファイルをインポート
  2. エンドポイントをデータグリッドやフォーム等のUI部品に割り当て
  3. パラメータや認証方式もGUI上で設定可能
  4. プレビューで動作確認し、即時にコード化

4.3 複雑な業務要件への対応

  • 複数APIの統合や複雑なデータ変換
  • 認証・認可、トークン管理
  • 外部サービス(SaaS、ERP、CRM等)との連携
APIエンドポイントとの連携

4.4 API連携が完了したら、UI部品をページング機能で表示しよう

API連携が完了することで、App Builder で配置したUI部品を自由にループ表示させることができます。また、ループ表示のみならず、App Builder のページング機能を活用することで、ページングデザインを簡単に実現することが可能です。

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App Builder ページング機能

5. レスポンシブデザインの自動化

5.1 マウス操作のみでレスポンシブ対応が実現できる

App Builder は、レスポンシブ対応(画面サイズに応じたレイアウト最適化)を自動的にサポートしています。画面を構成する各 UI コンポーネントを、マウス操作でレイアウトコンポーネントをドラッグ&ドロップで配置して「Wrap(ラップ)」設定をONにするだけで、PC・タブレット・スマートフォンなど、さまざまなデバイス環境に最適化された表示が可能です。

レスポンシブデザインは、BtoB 業務アプリにおいて非常に重要な機能です。たとえば、外出先の営業担当がスマートフォンで業務画面を確認したり、現場の作業者がタブレットからデータ入力したりといったニーズに対応できます。

また、App Builder では、設計段階からマルチデバイスを意識した UIデザインを1つのアプリケーションとして統合管理できるため、PC版とスマホ版のデザインを2パターン用意する必要はありません。デバイスの多様化にも柔軟に対応可能です。

  • マウス操作だけでレスポンシブ対応が実現できる
  • App Builderは1つのデザインでマルチデバイスに対応可能
  • PC版とスマホ版にデザインを2パターン用意する必要がない
  • PC版とスマホ版が統合されたコードが自動生成される

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App Builder レスポンシブデザイン

6. Infragisticsの高度なUIコンポーネントとBtoB業務システム

6.1 App Builderで使えるInfragistics UI部品

App Builderには、Infragisticsの「Ignite UI」シリーズを中心とした60種類以上の高機能UIコンポーネントが搭載されています。BtoB業務システムに必須の部品が網羅されています。

6.2 主なコンポーネント例

  • Data Grid(表・リスト):大量データの表示・編集・フィルタ・ソート・ページング
  • Charts(グラフ):売上分析やKPI可視化に最適な各種チャート
  • Form Controls(入力部品):テキストボックス、セレクトボックス、チェックボックス、日付ピッカーなど
  • ナビゲーション:メニューバー、サイドナビ、タブ
  • カード/ダッシュボード:カード型UI、ダッシュボードレイアウト
  • ダイアログ/モーダル:確認ダイアログ、通知モーダル
  • その他:カレンダー、ツリービュー、アコーディオン、ファイルアップローダー、通知トースト等

6.3 業務システムに最適化された機能

  • 高速レンダリングと大規模データ対応
  • アクセシビリティ(WCAG対応)
  • テーマ・カスタマイズ性(ダークモード等)

7. 実践的な運用フロー:App Builder AIでBtoB業務Webアプリを開発する流れ

7.1 要件定義から設計・実装まで

  1. 業務要件の整理:必要な画面・機能・データフローを洗い出し
  2. App Builderで画面設計:テンプレート活用+プロンプトAIで主要画面を自動生成
  3. UI部品の配置・調整:ドラッグ&ドロップでピクセルパーフェクトなUI設計
  4. API連携設定:Swagger仕様のAPIをインポートし、UI部品とバインド
  5. リアルタイムプレビューとテスト:業務フローを実際の画面で検証
  6. コード自動生成・エクスポート:選択したフレームワークのコードを出力
  7. GitHub連携:ソースコードはGitHubと連携することでデザインと独自コードを効率的に開発
  8. 本格的なカスタマイズ・デプロイ:生成コードを元に独自実装や拡張を加え、本番環境にデプロイ

App Builder と GitHub の連携開発アプローチについては、下記関連ブログをご参照ください。

blogs.jp.infragistics.com

7.2 代表的なBtoB業務システムの例

  • 受発注管理システム
  • 顧客管理(CRM)
  • 在庫・物流管理
  • 帳票・分析ダッシュボード
  • 社員ポータル・ワークフロー管理

これらの業務アプリは、App BuilderのテンプレートやAI生成機能、API連携機能を活用することで、従来の開発手法に比べて大幅な効率化と品質向上が可能です。

8. 生成AI×ローコードが切り拓くBtoB業務システム開発の未来

2025年のWebアプリ開発は、生成AIとローコードの融合により、エンジニアの生産性と創造性を飛躍的に高めています。

App Builder AIは、BtoB業務システムの複雑な要件にも柔軟に対応し、設計から実装、API連携、コード生成までをワンストップで実現。スクラッチ開発の経験を持つエンジニアにこそ、App Builderの真価が発揮されます。

今後もApp Builderは、AIの進化や新たなUIコンポーネントの追加、API連携の強化など、エンタープライズ開発の現場を支えるプラットフォームとして進化し続けるでしょう。BtoB業務システム開発の新たなスタンダードとして、ぜひ活用を検討してみてください。

ぜひ、App Builder を活用してデザインからコード自動生成する世界を体験してみてください。すべてを体験するには、App Builder 無料トライアル にアクセスして最新バージョンを入手してください。

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https://jp.infragistics.com/products/appbuilder