エンジニアとしてチームをリードするときよりも、もう少し広めの範囲をリードするときの話。
1 つのチームをエンジニアとしてリードするときには、ぐいっと引っ張ったり、やって見せたり、そばでペアプロをしたり、直接話をしたり、そういう直接のコミュニケーションでリードできるし、そうしたい。
でも、複数チームの方向性を決めるような旗振りをするときには、そういう直接のコミュニケーションは難しくなる。それに 1 つのチームを見ているときよりももう少し遠くを見ることが多い。
そんなときに意識しているのは「自分が考えてることを見えるようにすること」。
考えてることが見えないと
考えてることが見えないタイプのリーダーは、メンバーとしては動きにくいなって思ってしまう。
責任感が強かったり、自分がリーダーとしてしっかりしなきゃ!と頑張ってたりするから、というのが多いかも。で、いろいろ悩んで、最終的に決まってから「こういう方針に決めました」と伝えてくれる。
でも、やることが決まってから渡されると、メンバーには考える余地がない。一緒に課題に向き合ってるのにね。まぁ、言われたことはやりますけど、ってなってしまう。経緯が分からないから納得しづらかったりもする。
みんなを頼りたい
それよりも僕は、みんなを頼りたいなと思っている。
僕一人でなんとかなることなんてたかがしれてるから、みんなのチカラをできるだけ借りたい。だから、考えている段階で「こういう課題に対して、こうやりたいなと考えて進めているよ」というのをできるだけ見えるようにする。
今はフルリモートの場所にいるから、Slackやドキュメントで考えている途中のこともできるだけ見える場所に書いている。
そうすると見てる方も「なるほどね。じゃそろそろこういう話になりそうね」って準備ができたり「あの話、進んでるのかなぁ?」って思わずに「あの話はいまこういうステータスか・・・なるほどね」って待ってくれたり「その課題には、こういうやり方もありだと思うよ」ってアドバイスをくれたり、あとは「そういう考えで進めてたのに、この話でブロックされてこうなったのか」って納得できたりする。
そんな風に過程を見えるようにして、みんなが動きやすい状態をつくりたい。んで、一緒に動きたい。
諸刃の剣だったりもする
ただ、これは諸刃の剣だったりもする。
みんなを頼ってばっかりであの人何もしてないやんって思われたり、「みんなはどうしたいの?」って聞くだけの人になったりしないように気をつけたい。旗振り役なら、自分が目指したい先があって、そこに向かって自分にしかできないことをやっていることが大前提で、そこに向かうためにみんなの力を頼りたい、ということだよねと思う。
それに、考えている過程を見せるということは、見ている人を振り回してしまう可能性がある。状況によってある程度向かう先が変わることはあるけど、それがあまりにも続くようだと、あの人、旗を持ってうろうろして何やってるん?ってなる。そうならないように、ある程度は先を見据えて動くスキルが必要。
また、自分が何に対してどう考えているかをずっと見せ続けているので、その考えのレベルが低ければすぐに呆れられる。そして、反応の速度も丸見えになってしまう。自分の得意な部分も不得意な部分も見えてしまう。
スキルが足りなかったとして
もし自分に旗を振るスキルが足りなかったとして、それをできるだけ見えないようにして、決まったことだけを「落として」メンバーにやってもらうより、自分が考えてることを見せて「あの人はスキルが足りないよね」って見えてしまうほうが、全然いいなと思っている。
旗振りは、関係するメンバーの向かう先に大きく影響を与えるものなので、それくらいの覚悟は持ってやったらいいかなと。そこで、自分のスキルが足りていないということが分かれば、それはそれで、なるほどね、という気持ち。
ということで、自分が考えてることを意識して見えるようにしてるよ、という話でした。おしまい。