コンテンツに移動
データベース

エンタープライズ対応ドキュメント データベース MongoDB 互換の Firestore を発表

2025年4月25日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/1-firestore-enterprise-hero.max-2500x2500.png
Minh Nguyen

Senior Product Manager, Google Cloud

Patrick Costello

Engineering Manager, Google Cloud

※この投稿は米国時間 2025 年 4 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

このたび Google Cloud Next にて、Google Cloud が一から開発した MongoDB 互換の Firestore を発表しました。この新しい Firestore は、要求の厳しいドキュメント データベース ワークロードに対応するための新たな選択肢を開発者に提供します。

MongoDB との互換性は、60 万人を超えるアクティブな開発者からなる Firestore の既存コミュニティから強く求められていた機能です。今回のリリースにより、Firestore の開発者は、MongoDB の API ポータビリティと Firestore の差別化されたサーバーレス サービスを活用して、強整合性を持つマルチリージョン レプリケーション、実質的に無制限のスケーラビリティ、最大 99.999% の SLA による業界トップレベルの高可用性、1 桁ミリ秒の読み取りパフォーマンスを活用できるようになります。

MongoDB インテグレーションのオープンソース エコシステムに加えて、既存の MongoDB アプリケーション コード、ドライバ、ツールを使用できるため、コンテンツ マネジメント システム、e コマース製品カタログ、ユーザー プロファイルなど、一般的なユースケース向けのアプリケーションを迅速に構築できます。

お客様が使いやすい、初期費用のかからないサーバーレス料金モデルも提供されます。料金は使用した分だけ発生し、キャパシティ プランニングに伴う隠れたコストも発生しません。ご利用の開始方法について詳しくは、MongoDB 互換の Firestore サイトをご覧ください。

「Firestore に移行してから、開発者の生産性が 55% 向上し、サービスの信頼性も改善されました。また、300 億件のドキュメントや 1 秒あたり 25 万件以上のリクエストを処理できる規模までシームレスにスケールできました。Firestore は完全なサーバーレスで、事実上無制限のスケーラビリティを備えているため、基盤となるデータベース インフラストラクチャの管理を心配する必要がなくなり、データベースの DevOps から解放されました。その結果、当社のお客様にとって重要となるプロダクトの革新に集中できるようになりました」と HighLevel のエンジニアリング担当ディレクターである Karan Agarwal 氏は述べています。

MongoDB 互換の Firestore の特長

開発者は、広く利用されている MongoDB の API とクエリ言語のアジリティを活用し、半構造化された JavaScript Object Notation(JSON)データの保存やクエリを実行できます。今回の発表を機に、既存の Firestore サービスに MongoDB API がネイティブに実装されることから、開発者はアプリケーション コードを変更することなく、既存の MongoDB ドライバやインテグレーションを使用して Firestore に読み取りと書き込みを行えるようになります。これにより、開発者は MongoDB エコシステムの利点を享受しつつ、Firestore のエクスペリエンス、すなわちスケーラビリティと可用性に優れたこのサーバーレス ドキュメント データベース サービスの設計および管理における利便性も活用しながらアプリケーションを構築できるようになります。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/2-firestore-enterprise-apis.max-1700x1700.png

Firestore ではコンピューティング レイヤとストレージ レイヤが分離されており、これらはそれぞれ独立してリアルタイムでスケールできます。Firestore のコンピューティング レイヤには、開発者が使いやすい複数の API が実装されており、その中には MongoDB 互換の Firestore API も含まれています。

MongoDB 互換の Firestore には以下のようなメリットがあります。

1. 人間による介入やダウンタイムなしで、パフォーマンスを維持しながらスケーリング可能

Firestore の中核にあるのは、世界で最も要求の厳しいワークロードの数々を支えるインテリジェントなサーバーレス ドキュメント データベース サービスです。Firestore は月間 15 億人以上のアクティブ エンドユーザーに対応しており、実質的に無制限の水平スケーリングを、ユーザーの介入やダウンタイムなしで提供します。

これを可能にしているのが、コンピュートとストレージを分離した構成に基づく差別化されたバックエンドです。このバックエンドは自動かつリアルタイムでリバランスを行うことでノード間の負荷を平準化するので、必要な場所に正確にリソースを追加できます。これにより、Google Cloud の強みをドキュメント データベース エコシステムにもたらすことが可能になりました。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/3-4-firestore-enterprise-chart-combined.max-700x700.png

このグラフでは、Firestore が 1 秒あたり 2 万件を超える突発的なデータベース書き込みトラフィックに自動スケーリングで対応し、レイテンシも大規模に改善(低下)させている様子が確認できます。

2. 業界屈指の可用性

Firestore は、異なるアベイラビリティ ゾーンおよびリージョン間での同期的な自動レプリケーションを実現します。いずれかのレプリカに障害が発生した場合でも、Firestore はダウンタイムもデータ損失も発生させることなく、別のレプリカにフェイルオーバーします。同時に、障害のあるレプリカには自動で自己修復処理が適用されます。障害のあるレプリカが存在しても、自動スケーリングなどの処理には影響しません。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/5-firestore-enterprise-0rpo.gif

Firestore は、リージョンやゾーンに障害が発生しても、ダウンタイムやデータ損失を伴うことなく対応し、同時に自動で自己修復を行います。

3. Google Cloud のガバナンスとの統合

Firestore は、Google Cloud の課金、セキュリティ、モニタリング、監査、コンプライアンス チェックに完全に統合されているため、管理者は Identity and Access Management(IAM)、Cloud MonitoringCloud LoggingDatabase CenterAssured Workloads などの共通の中央サービスを通じて、他の Google Cloud サービスと同様に Firestore を管理できます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/6-firestore-enterprise-dbcenter.max-2200x2200.png

Firestore は Database Center と統合されており、データベース フリートの管理を簡素化します。また、Gemini Cloud Assist によるデータベース改善の推奨事項とも連携します。

4. 透明性が高いシンプルな料金体系

Firestore を使うと、コスト管理がこれまでになく簡単になります。料金体系は透明性が高く、予測可能でシンプルです。データベース上で行われた読み取りおよび書き込み操作については、料金はドキュメントやインデックス エントリのサイズに応じ、読み取りは 4 KB 単位、書き込みは 1 KB 単位で、実行された操作分のみについて発生します。

難易度の高いクラスタ容量の計画や、クラスタ シャーディングのミス、I/O 課金などに起因する初期費用や隠れたコストは一切ありません。また、1 年および 3 年の確約利用割引を通じて、操作にかかる料金をさらに割引することも可能です。ストレージ料金は実際に使用した分に対して請求され、これには自動データ レプリケーションも含まれます。適用される料金の例については、こちらをご覧ください。

5. 開発者の柔軟性を最大化

Firestore は、開発者により多くのインターフェースの選択肢を提供します。Firestore の MongoDB 互換インターフェースと、Firestore の革新的なリアルタイムおよびオフライン対応 SDK との間でのデータ相互運用性も近日中に提供予定です。これにより、開発者は MongoDB 開発者コミュニティと Firestore 開発者コミュニティの両方から既存のライブラリやツールを最大限に活用できるようになります。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/7-firestore-enterprise-general.max-1400x1400.png

今後リリースされる Firestore のデータ相互運用性により、同じ Firestore データベース上で MongoDB ドライバと Firestore のウェブ / モバイル SDK の両方を活用できるようになり、アプリケーションの可能性がさらに広がります。

MongoDB 互換の Firestore を使ってみる

今回のリリースにより、Google Cloud は MongoDB インターフェースを求める開発者に対して、MongoDB Atlas と Firestore の両方を含む複数の選択肢を提供します。MongoDB 互換の Firestore を活用してどのようなことが実現されるのか、私たちも非常に楽しみにしています。MongoDB 互換の Firestore は、新しい Firestore Enterprise エディションの一部として、プレビュー版を提供中です。初期費用がかからず、無料枠が用意されている Firestore を、ぜひ本日からお試しください。

-Google Cloud、シニア プロダクト マネージャー、Minh Nguyen
-Google Cloud、エンジニアリング マネージャー、Patrick Costello

 

投稿先