以前、祝祭とは一体何なのだろうかと考えたことがあった。 その当時出した結論は、 「祝祭とは、非日常な空間・時間を集団で創出し、それを皆で享受すること。己が1人だけで作り出す特別性は、祝祭ではなく単なる『気晴らし』であり、一線を画す。」 としておいた。 そこで、また一つ疑問が生まれた。 「祝祭によって、人と土地を結びつける意義は何だろうか。そもそも、人が土地と結びつくこと自体に意味はあるのか。」 一向に答えが得られないので、この疑問は保留にしておいたが、最近、ふと気付いたことがある。 それは、その土地には固有の「におい」がある、という事実である。 外に出てマスクを外すと、その土地に関係するあらゆ…