小島秀夫監督は、『デス・ストランディング3』の構想を既に所持しているものの、自身は制作に関与せず、他者に託す可能性を示唆しました。VGCが報じています。
小島秀夫氏、『デス・ストランディング3』構想を明かすも制作意志なし
「Plate Gate」構想によりシリーズの続編展開が可能に
ゲームクリエイターの小島秀夫氏は、『デス・ストランディング3』に関する構想を既に持っていることを明らかにしました。ただし、同氏は「自分では作らない」と述べており、今後の制作を他者に託す可能性に言及しています。
この構想は、6月にPlayStation 5向けに発売予定の『デス・ストランディング2:オン・ザ・ビーチ』内で登場する新要素「プレートゲート」(※メキシコとオーストラリアの大陸間を結ぶ謎の空間。これを通じて、サムは新しい環境に移動することができる)に基づいています。この設定を用いることで、今後の作品が世界各国を舞台に展開する可能性を持たせる仕組みとなっており、小島氏は「無限に続編を作ることもできる」と語っています。
パンデミックが作品テーマに与えた影響
小島氏は、前作『デス・ストランディング』のテーマが「つながり」であったことに触れつつ、COVID-19パンデミックの影響により『デス・ストランディング2』の物語やテーマを大幅に再構成したと説明しています。
パンデミック直後、世界は「接続」によって困難を乗り越えた一方で、同時に人間関係の希薄化が進んだとし、以下のように語っています。
- オンライン授業や在宅勤務により、顔を知らない同僚が存在するようになった。
- コンサートや学校がオンライン化し、人との偶然の出会いや予期せぬ体験が失われた。
- 「このままでは人間のコミュニケーションの本質が失われる」との危機感を持った。
この経験を経て、小島氏は「もしかすると“つながりすぎる”こと自体が問題かもしれない」と考えるようになり、『デス・ストランディング2』のテーマを再定義しました。
ゲームロゴにも込められたテーマの変化
小島氏は『デス・ストランディング』と『デス・ストランディング2』のロゴに込めた意図についても説明しています。前作では「つながり」を象徴する糸がロゴの下から伸びていたのに対し、本作では上から糸が垂れ下がるようなデザインとなっており、映画『ゴッドファーザー』を想起させるものだと述べています。
また、ゲーム内に登場する複数のキャラクターや演出においても、「つながること」そのものへの疑問を投げかけるような構成となっており、プレイヤーが物語の中でその意味を考えさせられるよう意図されているとしています。
進行中のプロジェクト
小島監督は現在、Xbox向けの新作『OD』、PlayStation向けのアクション・エスピオナージゲーム、さらには『デス・ストランディング』の実写映画化など、複数のプロジェクトに取り組んでいます。
情報元:VGC