任天堂が2025年6月に発売した新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」が、日本国内で驚異的な販売記録を達成しました。ゲームメディアのファミ通によると、発売から1か月でSwitch 2は153万8,260台を販売し、これは1996年に同誌がデータ収集を始めて以来、過去最高の初月販売記録だということです(※出典:ファミ通/読売新聞報道)。なお、最新の推定値では160万台を突破しています(※出典:ファミ通)。
この数字は、2000年にPlayStation 2が記録した約113万台を上回っています。なお、任天堂ハードとしては、ゲームボーイアドバンス(約137万台)やニンテンドーDS(約127万台)といった高記録もありますが、それらを含めても、今回のSwitch 2は歴代すべての初月実績を更新したことになります。
中でもPS2が比較対象として注目されている理由のひとつに、「据え置き型ハード」というジャンルでの象徴的な存在であったことが挙げられます。携帯機であるGBAやDSも強力な販売記録を持っていますが、PS2は発売初週に約63万台を売り上げ、長らく“初動の壁”と見なされてきました。
一方、2025年6月5日に発売されたSwitch 2は、国内初週(発売から4日間)で約94.7万台を販売したと推定されており、この記録はPS2を大幅に上回るものです(※出典:ファミ通)。これにより、今回の成果は業界にとってひとつの転換点とも言えるでしょう。
初代Switchが発売された2017年の同時期販売台数が約55万6,000台だったのに対し、Switch 2はそのおよそ3倍のペースで売れており、その勢いの差は明らかです。もちろん、ハードの性能進化やゲームのラインアップだけではなく、Switchブランドへの信頼や、長年にわたって築かれてきたユーザーコミュニティの存在も、今回の結果を支えている要因でしょう。
Switch 2のローンチタイトルには、『マリオカート ワールド』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(Switch 2エディション)』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(Switch 2エディション)』などの人気シリーズが揃い、発売日から話題性に富んだ展開となりました。さらに7月17日には『ドンキーコング バナンザ』がリリースされており、今後の販売をさらに後押しすると見られています。
世界的にもSwitch 2は好調で、任天堂によれば発売からわずか4日間で350万台以上を販売。これは任天堂史上最速の販売ペースとのことで、世界的にも稀に見るローンチ成功例となっています(※出典:任天堂公式発表)。
一方で、ファミ通が発表した数字には、任天堂による自社直販分が含まれていないとの指摘もあります。業界アナリストのDr. Serkan Toto氏は、実際の販売台数はさらに多い可能性があると述べており、全体像を正しく捉えるためには複数のデータを慎重に読み解く必要がありそうです(※出典:@serkantoto)。
今後の焦点は、この勢いをいかに継続できるかに移ります。発売当初の勢いは注目に値しますが、年末商戦やライバル機の動向、そしてソフトの投入タイミングによって、市場の勢力図は変わってくるでしょう。
今回のSwitch 2の成功は、単に「数字がすごい」というだけではなく、日本のゲーム市場における任天堂の強さを再認識させる出来事でした。今後の動向にも、引き続き注目していきたいところです。