咲良とプリルンの距離が近いことに、いちいち怒り出すメロロン。プリルンをデートにさそうが、プリルンはそれならば咲良といっしょに行こうといいだす。出ていったメロロンがソーダクリームを見てポエティックな言葉を口にしていたことが気になる咲良たち。読書好きのメロロン流の表現なのかもしれないと思い当たるが……
玖遠らぎ作画監督で全体的に絵は良好。敵幹部に怪物の素材にされるカップルもモブとは思えないほどデザインがこっている。アクションシーンも水準的によく動き、まわりこむような密着マルチ演出などもある。
物語は綾奈ゆにこ脚本らしく、少女同士の独占欲でキャラが行動して嫉妬で衝突のドラマを生む。その少女のうちふたりを妖精にしているところにこの作品ならではの独特の味わいがある。基本的にキスシーンを描いてこなかったシリーズだが、妖精であれば少女同士の頬へのキスも事故的なキスも描写できる。メロロンの恋路を鑑賞して楽しむ蒼風も、前作の猫屋敷のような蓄積を必要としない。
敵幹部カッティーがプリキュアのライブ映像を楽しんでいることが周囲に知られたあげく、正面から鍵を返してとプリキュアに求められて赤面して鍵をわたすところも楽しい。1クールがすぎているとはいえ、敵幹部に向いてないキャラクターだ。
ただいかんせん、独占欲の対象となるプリルンがそれほど魅力的なキャラクターと思えないのが難。好き勝手して迷惑かけるところにキャラクターとしての魅力があると思っていた。回想で敵に襲われた世界でメロロンをはげます姿が描かれたように、これまで身勝手に描かれてきたプリルンにも良いところがあると示すエピソードなのだと逆に考えるべきか。