コース: プロジェクトを成功に導くには

問題の特定と報告をする

コース: プロジェクトを成功に導くには

問題の特定と報告をする

どのプロジェクトでも 想定外は起こります。 その対策を考えておくことも 行動方針の決定のひとつです。 ここでは、問題を特定し、報告し、 解決することが重要な理由を説明します。 プロジェクトで起こり得る 問題の例を挙げ、報告のプロセスが なぜ重要なのかを見ていきます。 H+ Sportでは数年前に、 産業用クレーンの購入と設置を行いました。 クレーンは大型機器のため、 長いリードタイムを必要としました。 チームは抜けがないよう プロジェクト計画のタスクを細かく確認し、 特にクリティカルパスであるクレーンの 状況については細心の注意を払いました。 クレーンは予定どおり設置されました。 すべて順調に進んでいるかに見えた矢先、 クレーン操作の担当者が、クレーンで 何も持ち上げられないことに気付きました。 必須の部品がなかったのです。 たいへんです。 細かく計画を確認していたのに、 想定外のことが起きました。 ただ幸いなことに、 チームは対策を考えていました。 問題を見つけた担当者は チームマネージャーに報告しました。 チームマネージャーはすぐに部品を注文し、 クレーンを使えるまで3週間かかることを プロジェクトマネージャーに報告しました。 クリティカルパスである クレーンの状況が遅れれば、 全体の完了日に影響します。 プロジェクトマネージャーは それを分かっていたため、 クレーンに関連するのは どのタスクかを突き止めました。 プロジェクトマネージャーはチームに連絡し 翌週のミーティングで計画を調整しました。 その結果、大きなトラブルでしたが、 プロジェクトを予定どおり 終える方法を見つけ出しました。 もし問題を特定して報告する プロセスを考えていなかったら、 どうなっていたでしょうか。 問題は早く見つけるほど、 可能な選択肢が多く、 解決コストも抑えられます。 プロジェクトの報告プロセスを 効果的に管理することも、 リスクとコストを抑えるための 重要な要素なのです。 報告プロセスの土台は、部門別チームでの 定期ミーティングです。 メンバー同士で問題を 話し合うことができます。 部門別チームで解決できない問題は プロジェクトリーダーチームに 報告されます。 リーダーチームは定期的に集まって 問題を確認し、説明責任者を決め、 解決の進捗を追跡する必要があります。 ただし、クリティカルパスのタスクが 遅れる場合は、問題を直ちに プロジェクトマネージャーに 報告しなければなりません。 問題を報告するのは当然のようで、 難しいこともあります。 例えば、事態が望んだように 進まないことをなかなか 認めたがらない人もいます。 これは大きな課題です。 この課題に、リーダーは 2つの方法で対応できます。 1つ目は、誰もが安心して問題を 指摘できる環境を作ることです。 2つ目は、問題に対処する適切な 論理プロセスを確立することです。 全員が想定外に備え、問題を特定して 報告する役割を心得ていれば、 チームの作業も向上し、 プロジェクトも成功するでしょう。

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