コース: プロジェクトを成功に導くには

行動方針を決定する

コース: プロジェクトを成功に導くには

行動方針を決定する

プロジェクトリーダーシップの 3つ目の柱は、非常に重要な要素、 行動方針の決定です。 辞書的には、行動方針を しっかり決めるという意味ですが、 ここではその奥にある本当の意味を 解き明かし、チームがしっかりと行動方針を 決定することがなぜ重要なのかを 説明します。 なぜ「決定」なのでしょうか。 なぜ「指示」や 「同意」でないのでしょうか。 決定は、精力的に取り組む ニュアンスがあるためです。 決定は解決に通じ、歩み寄る意志や 解決策への注力を感じさせます。 この違いが重要な理由を確認しながら、 チームが行動方針を決定する際の ステップを見ていきましょう。 理想的なステップは、まずチームが 解決しようとする課題を定義し、 実行に向けて選択肢を調査することです。 次に、行動方針を決めて団結し、 それを計画に移します。 プロジェクト計画は、 言ってみればプロジェクトの雛型です。 これからの作業予定を簡潔に示すものです。 雛型があると、実際の作業の計画、 管理、測定が簡単になります。 プロジェクトの管理と測定に使う雛型は、 実際の仕事を反映している必要があります。 チーム全員が同じひとつの計画を理解し、 打ち込めるようにしなければなりません。 なぜ正確なプロジェクト計画が 重要なのでしょうか。 マサチューセッツ工科大学の スターマン教授がその答えを論じています。 スターマン教授によると、プロジェクトの 完了に必要な作業は3種類あります。 1つ目は、計画内の作業です。 これはチームが最初から 必要と理解している仕事です。 2つ目は、計画外の作業です。 これはチームが予想もしていなかった 作業ですが、 やはり実行しなければなりません。 3つ目は、プロジェクトの成否を左右する 作業、手直しです。 何度も行うことになるかもしれない 作業です。 手直しを計画する人はいませんが、 皮肉にもこれがプロジェクト完了までの 時間とコストに大きな影響を与えます。 計画外の作業と手直しは 密接に関係しています。 計画外の作業が多いほど、プロジェクトの 最中に想定外のことが多くなり、 手直しも増えます。 計画外の作業は手直しにつながり、 そこからまた計画外の作業、 手直しが生じます。 プロジェクトは予算をオーバーし、 失敗します。 この教訓から学べることは、 作業を始める前に今後のあらゆる作業を 予測する時間を取り、最初に行動方針を 決定しておくことです。 チームの創造性に働きかけて意見を 引き出せば、良い選択肢が見つかります。 選択肢の調査がすんだら、 リーダーはチームが行動方針を 決定するのを支援します。 現実的な計画で進めるように導くのも リーダーの務めです。

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