コース: プロジェクトマネジメントの基礎:予算管理
予算とスコープ要素に優先順位を付ける
プロジェクト計画と支出予測を作成しても、 完璧に計画どおりに行くことは 決してないことは確実です。 プロジェクトの中には、 変化をもたらす要素が多くあります。 そうした変化への対応方法を 知っておくことが大切です。 それにはスコープの管理が不可欠です。 スコープとはプロジェクトでビジネス上の 利益を出すための活動を指します。 これらの活動にはリソース、時間、人、 機器などさまざまなものが必要です。 スコープによってプロジェクトの 見直しや調整ができます。 予算状況の変化に効果的に対応するには、 予算とプロジェクトスコープの バランスを取る方法があります。 スコープと予算の一般的な 調整方法を紹介します。 第一に多くの成果を達成するために、 スコープを増やすよう 求められることがあります。 この場合、次の質問を考えてください。 予算にどのように影響しますか。 コストの増加に対して、 資金調達ができますか。 スケジュール内でスコープの増加を どう調整できますか。 スコープの増加はコストに影響しますか。 将来的にはどうですか。 これらの質問から、スコープの増加に 対応するための選択肢が見つかり、 支援者や関係者に提示できます。 また、リスク低減のために 予算変更が求められることがあります。 その場合、各リスクに対処する スコープ項目を追加します。 例えば政府の要件を順守する、重要な顧客に 特別な成果物を提供するなどです。 リスクに対処するためにスコープを 変更する場合は、スコープが 増えることがほとんどです。 場合によって、スコープを 減らすこともあるかもしれません。 例えば、新しいコンピューターシステムを 構築中で、機能を拡張するために、 最新ハードウェアを使用すると 決めたとします。 プロジェクトの中で、 そのハードウェアの問題が メディアで報道されました。 こうした問題への対処というリスクを 回避するために、機能を抑えて そのハードウェアを使用せず、 スコープを減らすこともあります。 最後に、コストの超過や 全体の予算の削減などで、スコープを 減らすよう求められることがあります。 プロジェクトでこうしたことが起こったら、 作業項目に優先順位をつけることを おすすめします。 大規模プロジェクトでは、4分割して 最初の25%、次の25%などとして、 そこから要件を満たすための コストを見極めます。 コストが高額になる要件もあります。 それを先に検討しましょう。 想定されるビジネス上の利益と、その利益を 実際に生み出すコストを比較します。 次に、最小限のコストでクライアントに 最大限の価値を提供できるものを考えます。 値打ちのあるものを見い出しましょう。 プロジェクトスコープの縮小を検討するなら、 同様に必要経費も削減しましょう。 これがスコープ削減です。 ほとんどの人はスコープ削減の対象項目が、 将来のプロジェクトになると考えます。 ちなみにこれは第2フェーズ計画と 呼ばれることがあります。 第2フェーズ項目では、組織が得られる ビジネス価値に見合うようなコストにします。 顧客には、第2フェーズ項目を定義しても、 第2フェーズプロジェクトが実施される 保証はない、と知らせたほうが良いでしょう。 スコープ変更には 常にバランスの調整が伴います。 皆さんの仕事は手にした予算を プロジェクトで使用し、 組織に成果をもたらすことです。 代替策を検討しましょう。 スコープと予算への影響が分かるように 選択肢を提示すれば、支援者は 的確な意思決定ができるでしょう。