2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ハン・ガン『少年が来る』

光州事件を自分が小説にするとしたらどうする? …という不遜きわまることを考えてみた。 たぶん事件の全体像を先に書いてしまう気がする。または、無意識にそのことを考えて時系列で書いてしまうんじゃないだろうか。 つまりどうしても鳥瞰——巨視的なものか…

辻井タカヒロ『持ってたところで何になる?』

なんでそんなものを捨てずに持っておくねん、というものを持ってしまっていることがある。 ぼくの場合、棚を組み立てるネジとかがそうだ。 いやもう明らかにその棚ないでしょ、というやつのネジも捨てずにとっておいてしまっている。どの棚のネジかわからな…

松井暁『社会民主主義と社会主義』

マルクス主義は社会民主主義をどう位置づけるか、位置づけ直すのか。 いわく「第一次世界大戦で自国の帝国主義戦争を支持したのが社会民主主義だ」「資本主義の改良で終わるのが社会民主主義だ」「軍事ブロックを肯定しているのが社会民主主義だ」…などが古…

『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』1(持崎湯葉・どうしま・胡枩遼)

一読して双龍『こういうのがいい』を想起する。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com が、『こういうのがいい』は一種のユートピアのように作られているのに対して、本作『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』の1巻は、少なくとももっとディストピア感が漂っ…

『しょせん他人事ですから』7・8

裁判に関わるようになったので、身近に弁護士の方と接する機会が多い。 つい弁護士もののマンガなんかを読んでしまう。 しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ 1 (黒蜜コミックス) 作者:左藤真通,富士屋カツヒト,清水陽平 白泉社 Amazon 本作…