全国でオーダースーツ店を展開し、著書も出版していた京都の実業家が、2億円を超える高級腕時計をだまし取った疑いで逮捕されました。京都府警は知名度を悪用した詐欺の手口を重く見ており、余罪の有無を含めて全容解明を進めています。
2億円時計詐取
京都の実業家逮捕
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【速報】2億円超の高級時計詐取で実業家逮捕 オーダースーツ店展開の顔、SNSで知名度活用か
2億円を超える高級腕時計を詐取した疑いで、全国にオーダースーツ店を展開する実業家の男が逮捕されました。営業術の著書やスポーツチームとの関係を活用して信用を得ていたとされる男の手口とは──。信頼とブランドの裏に潜む“影の顔”に迫ります。
項目 | 内容 |
---|---|
事件概要 | 実業家の男が2億円超の腕時計を詐取し逮捕 |
逮捕容疑 | 知人から「高く売る」と持ちかけ時計を詐取 |
被疑者の肩書 | 全国展開のスーツ店経営者・著書あり |
捜査の焦点 | 知名度悪用の有無と余罪の有無を捜査中 |
実業家が2億円の高級腕時計詐取で逮捕 どんな人物だったのか?
京都府警捜査2課は6月5日、京都市南区に住む40代の会社役員の男を詐欺の疑いで逮捕しました。容疑は昨年、知人に対して「高く売る」などと偽って外国製の高級腕時計1本をだまし取ったというもの。その腕時計の価値は2億円を超えるとも伝えられています。
男は、全国規模でオーダースーツ販売店を展開する企業の代表で、営業ノウハウをまとめた著書を持つなど「実業家」としてもメディアに登場していた人物。京都サンガFCとの関係性をSNSで積極的に発信していたことから、スポーツ・ファッション業界でも広く知られていた存在でした。
警察は、男が「知名度」や「ブランド力」を使い、被害者の信頼を得たうえで詐取行為に及んだと見ており、背後に組織的な転売ルートがあった可能性も含めて余罪の有無を調べています。
なぜ2億円もの高額な品が“信頼”だけで手渡されたのか?
被害にあった知人は、男から「すぐに高く売れる」「リターンも保証する」と持ちかけられ、実物の確認を経たうえで外国製高級腕時計を預けたとみられています。男は一時的に実績やSNSでの活動を背景に信頼を得ていたようで、「名の通った経営者」という印象が被害者側の心理的警戒心を下げた可能性があります。
さらに、男が代表を務める会社は登記上、大阪市中央区に所在。事業内容としてはオーダーメードスーツの製造・販売のほか、時計・貴金属の販売コンサルティングにも言及しており、“時計取引の専門性”を偽装しやすい立場にありました。
SNSや出版物の活動も含め、「表の顔」を最大限に使った詐取スキームといえるでしょう。
オーダースーツ業界ではどんな人物だったのか?
男は、スーツ販売で培った営業トークを武器に、「営業術の専門家」としても評価され、書籍も出版していました。SNSではスポーツ選手のスーツ採寸シーンを紹介したり、京都サンガFCとの連携をアピールしたりと、いわば“スポーツ界の仕立て屋”として一定のポジションを築いていました。
自社サイトではかつて、全国の直営店舗の一覧や、著名人とのコラボ写真も掲載されていたとの報道もあり、「信用の積み重ね」によって業界内でも名の通った存在だったようです。
しかし今回の逮捕により、そうした“看板”の裏でどのような金銭トラブルや詐取が行われていたのか、疑問の目が向けられています。
SNSや著書の影響力が“仇”になった可能性
情報発信力が大きくなればなるほど、受け手側の「無警戒さ」も増す。今回の事件は、現代的な“信用詐欺”の典型とも言えるケースです。SNSで信頼を得ていたからこそ、被害者もチェックを怠った可能性があります。
今回の事件が波紋を呼んでいる背景には、男の「見せかけの信頼性」が大きく関係している。SNS時代において“実績風プロフィール”がいかに脆く、悪用されうるかという現実を浮き彫りにしている。
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営業スキルや知名度が“武器”にも“凶器”にもなる
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表向きの活動と裏の実態とのギャップに警戒を
項目 | 今回の事件 | 一般的な詐欺事件 |
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被疑者の肩書 | 実業家・著者・SNS発信者 | 無職・偽名使用が多い |
詐取対象 | 2億円超の高級腕時計 | 数十万〜数百万円の金銭が中心 |
信用手段 | SNS・著書・サッカー界との関係 | 電話・メール・偽装書類など |
手口の特徴 | 自らの実績で信用構築後に詐取 | 最初から架空話で勧誘する傾向 |
なぜ知名度の悪用が見逃されていたのか?
信用が通貨になる社会で何が起こった?
今回の事件で注目すべきは、「知名度」や「社会的信頼」が詐取行為の武器になった点です。実業家としての顔、著書の出版歴、スポーツクラブとの関係性──これらは本来、社会的信用を築くためのものでした。ところが、それが「詐欺の信用材料」に転用された形になっています。
SNSを活用して成功者としてのイメージを演出し、過去の実績やネット上の露出を“営業資料”として使った可能性も浮上しています。周囲から見れば「まさかあの人が…」という印象が先立ち、被害者が警戒を緩めたことは想像に難くありません。
このように、現代の“信用社会”では、表面上の信頼性が武器にもなり得るのです。
SNSの「見せかけの成功」が信頼の根拠に
具体例としては、SNS上でプロサッカー選手との記念撮影やオーダースーツ提供の写真が並び、そのすべてが「成功者の証」として利用されていた可能性があります。実際に会社の公式サイトには「京都サンガFCへのスーツ提供実績」などの文言が記載されていたとされ、こうした“外形的信頼性”が詐取の背景に影響したとみられています。
今回の事件は、ただの高額詐欺事件ではなく、「個人ブランディングが逆手に取られた犯罪」の典型例です。以下のような構造が浮かび上がってきます。
まず、「著書を持ち、有名人との接点がある人間」として情報発信し、「信頼できる人物」という印象を意図的に構築。そのうえで、「高級品の売買」や「資産運用」に関する話題を持ちかけ、“有力ルートがある”と誤信させる手法です。
この仕組みは、インフルエンサー詐欺やSNS投資詐欺と非常に似ています。
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著書やメディア出演などの「表向きの信頼性」
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スポーツ選手など著名人との写真・投稿
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企業の外観や豪華なオフィス写真
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「資産家」「成功者」としての演出
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「売却代行」「転売サポート」の名目
これらの要素が重なると、受け手の疑念を奪い「この人なら大丈夫だ」と思わせてしまう危険性があります。
信用が武器に変わる詐欺の構図
【SNS・出版等で知名度を獲得】
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【表向きは成功した実業家】
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【スポーツ選手との関係や実績を演出】
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【知人や関係者に“高く売れる”と持ちかけ】
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【高額商品の提供を受ける】
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【連絡を絶ち、商品を転売 or 隠匿】
読者視点では、「信用できる知人でも油断は禁物」という警鐘と捉えるべきです。特に、見た目や肩書、SNS上での活動が“判断基準”になってしまいがちな現代において、「本質的な信頼」の見極めが求められています。
社会的信用を逆手に取る時代の倫理とは?
“成功者ブランド”は万能ではない
今回の事件は、社会的ステータスや自己演出が強力な影響力を持つ現代において、「表面的な信頼」がどれほど脆いものかを示しています。実業家としてのブランド力、SNSの発信力、著書の影響力──すべてが詐欺の道具になり得るのです。
かつての詐欺は「裏社会の犯罪者」が行うものでしたが、今は“表の顔を持つ人間”こそが、最も巧妙な詐欺師となるリスクがあります。
信頼の仮面をかぶった虚構
社会的信用とは何か。それは履歴書ではなく、実績でもなく、“人の目を欺ける材料”にもなるということだ。
人は信じたいものを信じる──成功者の姿に安心し、写真や発言に惑わされる。それが、詐欺の土壌だ。信頼とは本来、日々の行動の積み重ねでしか得られない。だがSNSはその“積み重ね”すら演出できてしまう。
この国では“肩書と写真”が信頼を作り、時にそれが人を壊す武器になる。
問い続けたい。「本当に信じるべきものは何か」と。
FAQ(よくある質問)
Q1. なぜ被害者は2億円もの腕時計を預けたのですか?
A. 容疑者が実業家としての信頼を得ており、SNSでの影響力や著名人との関係から信用されていたと見られます。
Q2. 事件の時期はいつ頃の話ですか?
A. 2024年に詐取行為があったとされ、2025年6月5日に逮捕されました。
Q3. 被害者は複数いますか?
A. 府警は余罪の可能性も視野に入れて捜査を継続中です。
Q4. 容疑者の会社は現在も営業していますか?
A. 現在、会社のホームページは閉鎖されており、活動実態は不明です。