レザークラフト研究

革の小物から鞄まで。

レザークラフトの手縫いー縫いかた実験!

そういえば、手縫いについて書いたことが無かったような気がしてます。

今回は、とりあえず、総括、といいますか、縫いかたの種類、について書いてみたいと思います。

 

 

【縫いかたの種類】

 

手縫いの縫いかたは、細かく挙げると次の8種類になるのかな・・・⁈

「え?そんなに種類、ありますか?」っと思うわけですが、

→ありました(笑)

 

そして、このマトリックス図のような以下の内容 ↓ は 、ほぼ読まなくて良いです(笑)

「以下のような組み合わせがあります」というだけです。

 

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A-1.

右から左へ縫い進める。

はじめに吟面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で右側へ寄せておく。

A-2.

右から左へ縫い進める。

はじめに吟面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で左側へ寄せておく。

 

B-1.

右から左へ縫い進める。

はじめに床面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で右側へ寄せておく。

B-2.

右から左へ縫い進める。

はじめに床面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で左側へ寄せておく。

 

C-1.

左から右へ縫い進める。

はじめに吟面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で右側へ寄せておく。

C-2.

左から右へ縫い進める。

はじめに吟面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で左側へ寄せておく。

 

D-1.

左から右へ縫い進める。

はじめに床面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で右側へ寄せておく。

D-2.

左から右へ縫い進める。

はじめに床面側から針を挿す。

先に穴に通した糸を、穴の中で左側へ寄せておく。

 

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大別すると、

AとBが「右から左へ縫い進める」のに対し、

CとDは「左から右へ縫い進める」バージョンです。

 

全部の縫いかたを覚える必要は、まったく無くて、基本的には1種類で充分かと思います。場合によっては、2種類知っていると、便利な時もあります。

 

 

【縫い進めづらい縫いかたが存在する】

 

この8種類の縫いかたを比べると、次の写真のようになります。↓

「暇なの?!」って尋ねないで(笑)

※写真の注釈

「表から(from F)」=「先に表から糸を通す」

「裏から(from B)」=「先に裏から糸を通す」

「左 (L)」=「先に通したほうの糸を、穴の中で左に寄せておく」

「右 (R)」=「先に通したほうの糸を、穴の中で右に寄せておく」

「表(F)」=縫い目の見えかた(「\\\」「---」「///」のいずれか)

「ウラ(B)」=縫い目の見えかた(「\\\」「---」「///」のいずれか)

 

※縫い目の見えかたについては、それぞれ、吟面を上にして革を置いたときにどう見えるか、床面を上にして革を置いたときにどう見えるか、です。

※縫い目の見えかたについては、真っすぐに見えるとしても、厳密には糸が綺麗に真っすぐ並んでいるわけではないので、「比較的、真っすぐに見える縫い目」という解釈になります。

 

このように、縫いかたは8種類に分けることができるのですが、実は、実際に縫ってみると、縫い進めづらいと感じる縫いかたが存在します。

「縫い進めづらいかどうか?」は、主観的なので、あくまでも自分の場合は縫い進めづらいと感じた、ということですが・・・。

 

縫いづらかったのは、写真のマーカーで塗られている4種類の縫いかた

(A-2、B-2、C-1、D-1)です。

 

総じて、縫い進めづらい理由は、次の点です。

「先に通したほうの糸を、縫い穴の中で、進行方向側に寄せると、縫い進めづらい」

 

写真の手縫いの革に貼り付けた各ラベルで、「左 (L)」「右 (R)」とあるのが、

「先に穴に通したほうの糸を、穴の中でどちら側に寄せておくか」という意味なのですが、

具体的に言うと、

「右から左へ縫う場合、先に通したほうの糸を、進行方向である左側に寄せて縫うと、縫いづらい」です。

 

先に通したほうの糸を進行方向側へ寄せた場合、その次の手順で、反対側から針を入れて、先ほど寄せておいた糸がある側で針を抜き出すわけですが、寄せた糸が邪魔をして縫いだす所の縫い穴を隠してしまうため、どこから針を抜き出してよいか、非常にわかりづらい、ということです。

 

文章では何を言っているのかわからないと思いますが(笑)、実際に試していただくとわかると思います。

 

 

【縫い目の見えかたと目打ちで開けた穴】

 

A(右から左へ縫う)と、C(左から右へ縫う)のパターンは、縫う進行方向が逆なだけで、縫い目の見えかたは同じです(A-1=C-2、A-2=C-1)。

 

BとDのパターンも同じかというと、そうではありませんでした。

(B-2.=D-1.でしたが、B-1はD-2と違う)

 

微妙に縫い目の見えかたがパターンごとに対象にならないのは、目打ちで開けた縫い穴の形と関係していると思います。

目打ちで開けた穴の形は、写真のように穴が水平に並んでいる状態にした時、常に右上がりの決まった形です(菱目打ちの場合は右上がりの菱形、ヨーロッパ目打ちの場合は右上がりの線型)。

 

どちらの方向から縫おうとも、縫い穴の形は「右上がり」の形のまま、変わらないため、それが影響していると思います。

 

ちなみに、B-1の縫いかただけが、吟面と床面とも、縫い目の見えかたが「斜め」です。

 

 

【どの縫いかたを選ぶか】

 

多くの場合、「初めて覚えた縫いかたでずっと縫っている」のではないかと思います。

それでOKだと思います。「縫えれば良い」ですよね。

 

自分の場合は、初めて覚えた縫いかたでずっと縫っていましたが、何年も後になって、縫いかたによって縫い目の出かたが違う、ということを知りました。

 

でも、上の写真のように細かく分析したとか、そういうことではなくて、ただ、なんとなく、今までの縫いかたと違う縫いかたがあるんだなー、そう感じた程度でした。

 

「どの縫いかたを選ぶか」ですが、

人によって、利き手(右利き、左利き)が違いますし、自分にとって縫い進めやすい方向(左から縫う、右から縫う)の感覚も違うと思います。

好きな縫いかたを選んでOKだと思います。

 

とはいえ、わざわざ縫い進めづらい縫いかたで縫う必要は無いので、

縫い進めやすいほうの4種類(マーカーを塗っていない縫いかた)を、次回以降で見ていきたいと思います。

 

ちなみに、自分(右利きです)の場合は、A-1、それと、B-1、の縫いかたしか行いません。というより、他の縫いかたが必要になったことが無い、というほうが良いかも知れません。

なぜ(1種類ではなく)2種類を覚えたか?については、別途、書きたいと思います。

 

今回の記事は、とりあえず、総論的な話でした。

次回は、それぞれの縫いかたを実践していきます!

 

 

針に糸を通す方法はこちら ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

目打ちで穴を開ける方法はこちら ↓

(その2のほうを先に読んでいただいたほうが良いかも知れないです)

leatherworksthalia.hatenablog.com

leatherworksthalia.hatenablog.com