「1年たったら動物のえさ」進次郎農相アピールの「1800円備蓄米」を国民・玉木代表がチクリ
国民民主党の玉木雄一郎代表は28日、衆院農林水産委員会で、高騰するコメ価格の安定化に向けて小泉進次郎農相が進める随意契約による備蓄米放出をめぐり、「あと1年たったら動物のえさになるようなものを『安く売ります』と言っても、そりゃ安く出ますよ」と、進次郎氏流の発信に苦言を呈した。 【写真】兄から耳を引っ張られる小泉進次郎氏 26日に始まった備蓄米の随意契約による売り渡しは、年間のコメの取り扱いが1万トン以上の大手小売業者をまず対象にしたが、購入申請が殺到したことで27日夜、農水省は、対象となっている2022年産米(古古米)、2021年産米(古古古米)について、いったん受付を休止することを発表。進次郎氏はこの日の答弁で、今後、21年産の古古古米(計10万トン)については、中小のスーパーや町の米店などにも対象を広げ、店頭販売価格は、5キロ1800円程度になるとの見方を明かした。 玉木氏は「農政の王道は、海外から入るものに頼るのではなく、国内で生産できるようにして、安定的な主食たるコメの供給に国家が責任を持つこと。そのために必要な財源を確保することだ」とした上で「中小のスーパーに出すのは、あと1年たったら動物のえさ米になるようなもの。1年たったら動物のえさになるようなものを『安く売りますよ』と言っても、そりゃ、安く出ますよ」と、クギを刺すように指摘した。 「一般の感覚は。ササニシキやコシヒカリ(などのブランド米)をリーズナブルな値段で買いたい。えさ米になるようなものを『安く出てきました』と言っても、本当のニーズではなく、(あくまで)緊急的なものだ」とも述べ、今後のコメの価格帯は「三極化する。今回の2000円の備蓄米に、これまでに出た備蓄米の3000円くらい、そして銘柄米の4000円超が固定化する。バリエーションができていいという話もあるが、それでいいのか」として、全般的なコメの適正価格を問うた。 進次郎氏は「いちばんいいのは、4000円でも消費者が不安なく購入できる経済状態をつくっていくこと」とかわした上で、コメがほかの食料品に比べても急激に値上がりしている現状に言及。「まずは備蓄米を1度落ち着かせていくことで、生産者のみなさんも安心して営農できる適正な水準を、消費者も含めて議論できる環境をつくる上で、今は1度、下げていかないといけない」と訴えた。 適正価格について明確に答弁しなかったため、玉木氏は「総理は3000円台といった。大臣も同じ考えなのか。逆に言えば、主食用米は5キロ2000円台は、さすがにまずい?」と更問いしたが、進次郎氏は「今は、2000円ではやっていけないというのは、生産者の方の思い」とした上で「ただ、それを理解しつつも、2000円台だった1年前から(コメの平均価格は)4200円。それを1度落ち着かせることで、農家のみなさんの苦労や努力が報われるところはどこなのかということを、消費者のみなさんも含めていっしょになってご理解いただく。今回は、その1つの契機にしなければならない」と述べるにとどめた。