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ボクシング界に衝撃 重岡銀次朗が試合後に緊急手術 命懸けのリングで何が起きたのか #エキスパートトピ

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
写真:YUTAKA/アフロスポーツ

24日に大阪で行われたIBF世界ミニマム級タイトルマッチで、王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)と前IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗選手(25、ワタナベ)が対戦した。試合は1-2の判定で重岡選手が王座奪還に失敗した。試合後、重岡選手が救急搬送され、「急性右硬膜下血腫」と診断され、緊急開頭手術を受けたことが明らかとなった。現在も意識が戻らない重体で、集中治療室(ICU)での経過観察が続いており、予断を許さない状況が続いている。試合直後に緊急の開頭手術を受け、事実上ボクシングは現役引退となる。

ココがポイント

リング上で意識が朦朧とし、救急搬送されていた。試合直後に緊急の開頭手術を受け、現在も大阪市内で入院中。
出典:THE ANSWER 2025/5/27(火)

危ないシーンはなかったですが、原因を確かめないといけません。硬膜下血腫で緊急手術をしたのは事実。
出典:THE ANSWER 2025/5/28(水)

脳の腫れはこれからの闘いで一番の敵。その腫れをどう抑えるか。重岡選手自身が戦っています。ここ1週間くらいが状況がわかる
出典:RONSPO 2025/5/28(水)

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エキスパートの補足・見解

重岡銀次朗は、アマチュア時代無敗のままプロデビューし、わずか10戦で世界王者の座を手にした逸材だ。サウスポースタイルで、身長153cmと小柄だが、技術とパワーを兼ね備え、アグレッシブなボクシングが特徴的だった。

デビュー直後に取材した際には、威勢がよく、強気で負けず嫌いな性格が印象的だった。兄の優大と共に、将来の活躍を期待される存在だ。

今回の試合では派手な打ち合いやダウンがなかったため、原因がわからない状況だ。しかし改めて、ボクシングという競技は命懸けで、危険と隣り合わせのスポーツであることを痛感させられる。

選手たちは厳しい減量やトレーニングを乗り越え、勝つために全力でリングに上がっている。ダメージが少なかったとしても世界戦をフルラウンド戦い抜くのは相当な負担がかかる。

だからこそ、選手自身では気づけない部分を含めた、第三者による客観的な視点での検査や、慎重な健康管理の徹底が今後も必要だと強く感じる。

思いもよらぬ形で引退を迎えることとなり、本人にとっては非常に無念だろう。しかし、何より命あってこそ。どうか無事に回復し、また元気な姿を見せてほしいと心から願っている。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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